海洋コア国際研究所(MaCRI)は、深海底や陸上で掘削されたコア試料を用いて、地球環境変動、地球内部変動、地球生命進化、さらに深海鉱物資源に関連する先端的研究を行う機関である。MaCRIは最新鋭の科学機器を備え、世界の3大コア試料保管拠点(日本・米国・ドイツ)の1つとして、国際深海科学掘削計画(IODP)など地球科学の最先端を開拓するために、国内はもとより海外の研究者にも施設を開放している。
2010年度から文部科学省の「地球掘削科学共同利用・共同研究拠点」として活動を開始し、2022年度からは「地球掘削科学国際研究拠点」として国内外の掘削科学を牽引する中核的拠点となって活動を継続、年間100件を超える多くの共同利用・共同研究を展開している。本学と国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)との包括連携協定の下、物部キャンパスの研究施設を「高知コアセンター」と総称して、特に国際深海科学掘削計画(IODP)及び国際陸上科学掘削計画(ICDP)に関わる地球掘削科学に関連した研究・教育等を推進している。このように、国内外の地球掘削科学の研究者コミュニティと連携して、本研究所の設備・機器を活用した共同利用・共同研究を行い、我が国主導の地球掘削科学やその関連分野の拠点形成と推進を担っている。
本学が標榜する「地域から世界へ、世界から地域へ」を具現化する研究施設として、令和5年度から海洋コア総合研究センターを「海洋コア国際研究所/Marine Core Research Institute (MaCRI)」へ改組・拡充した。
MaCRIでは、共同利用体制の国際化・人材育成機能の強化・学術コミュニティとの連携強化を図るとともに、高知大学と海洋研究開発機構との包括連携協定を活用した研究力強化を通じて国際研究拠点としての機能を強化し、科学海洋掘削を軸とした国際プロジェクト研究の推進機能も整備することで本学における研究活動の国際化を先導する。
IODP・ICDP関連および、海底エネルギー・鉱物資源、地球惑星科学・生命科学等に関連する共同利用・共同研究課題を146件採択(令和3年度138件[8件増])し、実施した。2月末には「令和4年度共同利用・共同研究成果発表会」を対面とZoomオンラインでハイブリッド開催し、32件の口頭講演が行われ、約83名の参加者(対面28名、オンライン55名)に研究成果を発信した。
日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)との連携において、地球掘削科学における研究手法や、計測技術の普及・レベルアップ、相互交流等を目的として、J-DESCコアスクール(コア解析基礎コース、コア同位体分析コース)を開催し、学生や院生、研究員20名(うち留学生6名)にそれぞれ3日間の講義・実習等のプログラムを実施した。(満足度100%)
国際ワークショップ「西大西洋掘削会議WEPAD2022:黒潮・亜熱帯域の古海洋学」の開催(参加者延べ146名(うち35歳以下の若手研究者83名))や、「第5回国際ジオサイエンスシンポジウム(ISC)」・四国巡検の開催(参加者計41名(海外からの研究者・大学院生8名を含む))により、研究成果の共有とともに、国際交流が行われる等、これらの取組を通じて、地球掘削科学における若手人材育成と人材ネットワークの構築を図った。
拠点機能の強化・拡張を図るため、国内外の組織・研究者と連携して地球掘削科学及び境界領域の研究を推進し、研究成果に関する論文発表を実施した。その内、Journal of Hydrology誌においては、共同利用・共同研究(国内、国際)に関連するTOP10%論文の実績(SCOPUS 96th percentile 2023.4.7時点)が得られた。
アウトリーチ活動の一環として施設見学を受け付け、高校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)による見学等では、研究内容の授業やコア解析を体験する実習も合わせて実施している。最近では、高知県幡多郡三原村との共同研究の一環で、当地の「土佐硯」職人の皆さんを招聘してMy土佐硯づくり教室を開催するなど、地域との連携に基づいた新しい取り組みを展開している。
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