放射光科学研究センターでは、小型放射光源(HiSOR)が発生する紫外線~軟X線域の放射光を利用し、世界最先端の計測技術を用いて超伝導や電子スピンに由来する量子現象を研究する固体物理学および溶液中の生体分子の立体構造を研究する物性・生命異分野融合領域の研究、ならびに高輝度小型放射光源や挿入型光源に関する研究を行っています。
また大学の中に置かれた研究拠点として、多様な文化や背景を持つ国内外の大学・研究機関の第一線の研究グループとともに研究課題に取り組み、互いに学ぶことのできる環境を活用した、学部・大学院生および若手研究者の育成を進めています。
電気磁気効果を示すクロム酸化物Cr2O3とグラフェンの接合界面モデル(図a)を考察して、第一原理計算による電子状態分析を行うことにより、この接合界面にスピン偏極した電子状態が形成されることを予測しました(図b)。実際に、Cr2O3とグラフェンが接合した人工積層構造を作製し、放射光を活用した角度分解光電子分光実験を行うことにより、予測された電子状態の存在を実証しました(図c)。接合界面に新たに生成されたこのスピン偏極電子状態は、クロム酸化物の磁気情報を直接グラフェンの伝導電子に伝達する役割を果たすので、新型磁気メモリデバイスへの応用の観点から本質的に重要です。
(詳しくはhttp://www.hsrc.hiroshima-u.ac.jp/research/result/59.htmlをご参照ください)
広島大学放射光科学研究センターは、九州・中四国地域の中・高校における体験学習、総合学習、スーパーサイエンスハイスクール研修(図(d))、女子高校生のための科学体験講座※1(図(e))などで、研究施設を活用した体験学習の機会を提供しました。一方、インターネットで施設と教室を結んだリモートセミナーとVRを活用した施設見学を組み合わせた「VR先端科学体験セミナー」※2(図(f))を島根県の中学・高校に提供しました。
また、高エネルギー加速器研究機構と連携した人材育成事業(KEK、呉高専、広島商船との共同研究)※3を実施し、放射光科学分野の人材育成を目的とするオンライン講演会「加速器という仕事」を実施しました。
※1(https://www.hiroshima-u.ac.jp/gender/news/72250)
※2(http://www.hsrc.hiroshima-u.ac.jp/outreach/facillity.html)
※3(https://www.kasokuki-dx.jp/教育/2022kekday/)。
図(d)
図(e)
図(f)
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