本研究所は、極限の薄さを持つナノシートや表面・粒界を含む二次元ナノマテリアルを基盤とした機能性ナノ材料の創製や、日本で唯一の爆発実験施設や世界トップレベルのパルスパワー実験施設など極限のプロセス環境を利用した物質科学研究を強く推進しています。近年、世界中で二次元材料の研究が盛んに行われており、既に国外では多くのナノシートに特化した研究機関が設立され、新しい産業の創出につながる優れた成果が次々に創出されている状況です。このような世界の状況の中、本研究所は、二次元ナノマテリアル研究を核として世界をリードする成果を発信すべく、強みである極限プロセスを発展させながら、極限構造を持つ二次元ナノマテリアル研究開発の理論から産業展開まで、一貫して二次元ナノマテリアルを科学する研究拠点を目指しています。
本研究所が保有する特殊装置を外部に開放する共同利用共同研究支援として54件の共同研究課題を採択し、年度末に成果報告会を開催しました。研究活動としては、プロトン濃度の可視化技術の開発、ペロブスカイト型ナノ結晶を基盤とする光スイッチの開発、金属酸窒化物半導体ナノシートの合成方法の開発、両連続相マイクロエマルションを用いた隔膜フリーレドックスフロー電池の開発などの多数の研究成果をプレス発表として発信しております。また、2023年3月に産業ナノマテリアル研究所の国際シンポジウムを開催することができました。
2022年10月に、本研究所と株式会社ダイセルは、「ワンタイムエナジー共同研究講座」を設置しました。本研究所が持つ極限プロセス環境を利用したパルスパワーなどの衝撃エネルギー関連の研究成果とダイセルが持つワンタイムエナジー技術を発現し、まだ世の中にない新たな価値の共創を目指しています。
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