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愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター

Geodynamics Research Center, Ehime University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
入舩 徹男
Irifune, Tetsuo
キーワード
超高圧実験、第一原理計算、地球ダイナミクス、鉱物物性、相転移、地球深部、マントル、核、レオロジー、地球深部水、スーパーアース、惑星科学、ダイヤモンド、新物質合成
住所
〒790-8577
愛媛県松山市文京町2番5号

地球の中心部に至る超高圧と高温条件を実験室に再現し、また多様な物性測定法や放射光・中性子などの量子ビームを組み合わせることにより、地球深部物質の構造と物性、更にそのダイナミクスや進化の解明を目指しています。実験が困難な圧力温度領域においては、第一原理計算を用いた数値シミュレーションを行うとともに、得られた物性パラメーターを用いた流体力学計算に基づき、より現実的な地球深部や惑星・スーパーアースの内部の動きも探っています。一方で、超高圧技術を生かした新物質の合成にも取り組んでおり、世界最硬「ヒメダイヤ」(ナノ多結晶ダイヤモンド)の合成はその一例です。これらの高度な技術や先端的な研究及び人材育成の成果を基に、本センターは平成25年に共同利用・共同研究拠点化(先進超高圧科学研究拠点:PRIUS)されています。

令和4年度の研究活動内容及び成果


動的地球科学・惑星深部科学・超高圧材料科学の推進

令和4年度は、昨年度に引き続き「動的地球科学」・「惑星深部科学」・「超高圧材料科学」をキーワードとした先端研究を重点的に進めました。この結果多くの高いインパクトの研究成果が得られています。「動的地球科学」に関しては、深発地震のメカニズムに関する新たな説を発表しました(Nat. Commun.誌)。「惑星深部科学」に関しては、アメリカ地球物理連合のAGU Monograph “Core-Mantle Co-Evolution: An Interdisciplinary Approach”を発行しました。また300万気圧を越える圧力領域での鉄の音速測定に成功し、その成果を発表しました(Nat. Commun.誌)。一方、「超高圧材料科学」に関しては、ヒメダイヤの多様な応用が行われ、その成果の一つがProc. Ntnl Acad. Sci. USA誌などに発表されました。また、シリカガラスの構造変化に関する新たな知見についても成果発表を行っています(Nat. Commun.誌)。その他の著書として、GRC教員が編集委員長を務め、日本高圧力学会の監修による「高圧力の科学・技術事典(朝倉書店)」を発行するとともに、子供向けの単行本「地球の中に、潜っていくと・・・」を発行しました。

深発地震の新たなメカニズム

深発地震の新たなメカニズム

社会との連携


新たな学際的分野の先導と研究コミュニティーへの貢献

共同利用・共同研究拠点に認定されている本センターでは、上記の3つの重点課題に取り組むとともに、それぞれの課題に関連した研究コミュニティーへの貢献も行っています。「動的地球科学」に関連しては、放射光施設SPring-8に新しく導入した高圧変形装置を共同利用に供した研究を進めています。また、「惑星深部科学」に関しては、全国の研究者を組織した惑星深部科学研究会を立ち上げて、定期的な研究会を行っています。更に「超高圧材料科学」の推進においては、企業との連携も重視して複数の企業との共同研究や、超高圧実験技術の指導などを行っています。また、日本地球惑星科学連合大会において、センターの研究室や研究内容の動画による紹介をリアルタイムで行うなど、コロナ禍下においてもアウトリーチ活動を積極的に行いました。更に研究成果のプレスリリース(4件)や、広く写真・動画等を公募したイメージコンテストの開催などを通じて、社会との連携活動を推進しました。令和4年度には、新たな設備として電界放出型波長分散EPMAと、集束イオンマルチビーム加工装置を導入し、共同利用に供しています。

新たに設置された電界放出型波長分散EPMA

新たに設置された電界放出型波長分散EPMA

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