難治疾患研究所は、1973(昭和48)年に設置された“難治疾患”という名称を掲げる唯一の国立大学法人附置研究所です。本研究所では、難治疾患を「病因・病態が明らかにされていないために未だ有効な診断法、治療法、予防法が確立されていない疾患」と定義し、その克服のため基礎から応用まで幅広い研究活動を展開しています。時代の要請に応じられるように新しい研究技術と生物学的知見を取り入れ、基礎医学領域の最前線で活躍をしてまいりました。
2022年4月には研究所内の組織再編を行い、新たに「未来生命科学研究部門」「病態制御科学研究部門」「バイオデータ科学研究部門」の3つの部門で、本学の指定国立大学法人化に伴い掲げられた4つの重点研究領域(「創生医学研究」「難治疾患研究」「口腔科学研究」「データサイエンス」)の推進に貢献し、難治疾患研究のHub Instituteを目指しています。
東京医科歯科大学難治疾患研究所バイオデータ科学研究部門ゲノム機能多様性分野の高地雄太教授の研究グループは、東京医科歯科大学生体材料工学研究所、東京大学、理化学研究所との共同研究で、GWAS候補領域における原因メカニズムの解明のために、タンパク質構造を変化させる選択的スプライシングを効率的に同定する2つのスプライシングQTL解析手法を開発しました。
●タンパク質構造を変化させる選択的スプライシングに注目した、2つのスプライシングQTL解析の手法を開発しました。
●無数のスプライシングイベントの中から、生物学的に意味のあるスプライシングアイソフォームを効率良く検出することが可能となりました。
●この手法は、様々な疾患のゲノムワイド関連解析(GWAS)で明らかになった候補領域における病因メカニズムの解明に適応可能です。
【論文情報】
掲載誌:Nature Communications
論文タイトル: Splicing QTL analysis focusing on coding sequences reveals the causal mechanisms for disease susceptibility loci
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