研究所・研究センター一覧

大阪大学産業科学研究所

SANKEN (The Institute of Scientific and Industrial Research), Osaka University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
関野 徹
Sekino, Tohru
キーワード
情報科学、量子科学、材料科学、ビーム科学、生体科学、分子科学、ナノテクノロジー、AI
住所
〒567-0047
大阪府茨木市美穂ヶ丘8番1号
新たな時代を切り拓き産業に資する自然科学の基礎研究と応用に関する学際的研究を推進します

産業科学研究所(産研)は、新たな産業創成の源流となる基礎科学を極め、その成果に立脚した応用展開を目的に、材料・ビーム、情報・量子、生体・分子、ナノテクノロジー・ナノサイエンスの4研究領域に加え、これらと融合したAI領域に関する先端研究を推進しています。

また、北大電子研、東北大多元研、東工大研究院化生研、九大先導研と共に5大学5研究所間アライアンスを構成し、全国に跨がる拠点ネットワーク「物質・デバイス領域共同研究拠点」を形成し、我が国では前例のない新しい共同研究システムを構築し、運用してきました。環境・エネルギー・医療福祉・安全安心に関する諸課題の解決、新たなAI分野の開拓など、新産業に資する独創性・先駆性の高い世界最先端の基盤科学とその応用を研究しています。

令和4年度の研究活動内容及び成果


最近の研究成果-記者会見・プレスリリースより

産研では記者会見・プレスリリースやSNSなどを活用して様々な成果を発信しています。以下は2022年度に発表した研究成果(プレスリリース)の一部です。

  • 新型量子ドットを開発:光子―スピン量子インターフェースで変換効率を3倍に(カナダ国立研究機構との国際共同研究)【図1】
  • 木材由来、電気特性と3D構造をカスタマイズできるナノ半導体を創出:持続可能なエレクトロニクスの実現に道
  • 銀膜接合技術の開発でマイクロバンプの銅接合を実現:先端半導体の高性能化・小型化への貢献を期待
  • 細胞内の温度を1ミリ秒以下の分解能で計測可能な高速応答蛍光タンパク質温度センサーB-gTEMP
  • 微細化ゆえの「先端半導体」に起こる問題の解決へ。新めっき技術によるナノスケール欠陥抑制効果を初めて確認:先端半導体の信頼性向上へ期待
  • 室温で異方性ホール効果を示す新物質の発見:世界で初めて2次元/1次元ハイブリッド超格子を実現
  • DNA/RNA中の電子移動速度を1分子測定:PCRを必要としない1本のDNA/RNAを1分子検出・診断する新技術
  • 世界最高レベルの発電性能を持ったマルチナノポア発電素子
  • 肌に優しい多機能・高性能な生体ドライ電極技術:伸縮性・透明性・信号の質を高める新材料で薄膜センサシート量産・実用化へ前進
  • 薬剤耐性菌パンデミックの回避に向けた新薬開発へ:細菌の薬剤排出ポンプにおける阻害剤結合部位の特性を解明
  • 木材由来のナノ繊維で 「自然な不均質さ」を再現する新技術:生体模倣から抗ウイルス性成型品の製造まで幅広い応用に期待【図2】
  • 世界最短波長蛍光タンパク質「Sumire」の開発に成功:生体内環境変化の因果関係を解明する 新技術
  • 蛍光センサーINCIDERを新開発:生きた細胞の細胞接着タンパク質N-cadherin間の相互作用を可視化
  • 半導体量子ビット2次元配列の高精度制御設計手法を開発:半導体量子コンピュータの実現に向けて
  • 六方晶窒化ホウ素の大面積合成とグラフェン集積デバイスを実現:大きな絶縁性二次元材料で半導体産業の未来へ貢献
  • 窒素と水から常温・常圧でアンモニアを合成するための第一歩:水の添加により電気化学的窒素―アンモニア変換効率が向上

図1 GaAs(110)面上に作製した二重量子ドット(DQD)と電荷計(CS)の構造を示す電子顕微鏡写真(光子−電子スピン変換効率を増大できる量子インターフェース).

図1 GaAs(110)面上に作製した二重量子ドット(DQD)と電荷計(CS)の構造を示す電子顕微鏡写真(光子−電子スピン変換効率を増大できる量子インターフェース).

図2 木質由来ナノ繊維の電場積層(電圧や電極形態によるナノ繊維配向状態の自在制御の例).

図2 木質由来ナノ繊維の電場積層(電圧や電極形態によるナノ繊維配向状態の自在制御の例).

社会との連携


産研をもっと知って下さい、そして、ご利用ください

産研が保有する先端科学とその応用に関する多様な研究シーズを基にして社会との共創を進めるために、研究所内に「Industry on Campus」を実現するためのインキュベーション棟を運営しています。さらに、人と人との繋がりを一層深め、産学・地域・国際交流や研究交流を強力に展開するため「産研戦略室」を設け、諸般の活動を推進しているほか、広報室の拡充を図り、記者会見やプレスリリースに加え、S N Sなどの様々なメディアを通じて研究や活動内容の情報発信を強化しています。

  • 地域とのつながり
    産研での研究・教育活動の最先端を直接見学・体験していただくため、大学祭(阪大いちょう祭)などに一般公開を実施し、子供から大人まで多くの方々に産研を知っていただく機会を設けています。さらに、地方自治体や公共団体、NPOなどとも連携を行い、成果の社会還元を通じた地域活性化などを目指した様々な活動を進めています。
  • 未来を担う子ども・学生とのつながり
    子どもたちに科学を楽しく体験してもらう機会として「ものづくり教室」を開催しています。また、産研所属の学生が、自身の研究内容を同世代の学生や高校生、一般の方に紹介したり、共に考える活動への支援を行うなど、勉強の「科学」だけではなく、様々な角度から科学を考えるきっかけづくりに努めています。
  • 産業とのつながり
    産研と産業界との交流の場として、産研と(一財)大阪大学産業科学研究協会との共催で、「産研テクノサロン」を定期開催するほか、時代に即した課題をテーマとした研究会の開催、研究シーズ/社会ニーズマッチングの推進、国際的な産学共創研究機関(imec)との包括連携に基づく国際共同研究・産学連携などを通じ、産研における研究成果の発信と産業界との連携・共創を積極的に行っています。

 

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