世界的な環境悪化や地球温暖化の影響は地域ごとに異なります。しかし、あらゆる生物の生存に対して、深刻な被害を与える可能性があることは世界共通です。これらの問題を解決するために、様々な先端研究を融合させた学際的アプローチを推進する必要があります。このような深刻な社会・環境の変化に対応できる知識集約型グリーン科学技術の構築を目指し、2013年4月に時代を先取りした組織として研究所が誕生しました。2022年4月からは、これまでのグリーンエネルギー、グリーンバイオ、グリーンケミストリーの3研究部門制を進化・深化させ、キーワードに挙げた7研究コア制を発足しました。世界をリードする基礎的・独創的研究に取り組んでおり、国内外の共同研究、地元自治体との積極的な連携により、社会に対する責任を果たしていきたいと考えています。
静岡大学グリーン科学技術研究所 インフォメーション
https://green.shizuoka.ac.jp/information/
https://green.shizuoka.ac.jp/information/94th_nihonnougakushou_20230410/
令和5年4月5日に朴龍洙教授が「カイコバイオファクトリーによる組換えタンパク質生産に関する研究」で、2023年度第94回日本農学賞および第60回読売農学賞を受賞されました。
朴教授は、カイコのタンパク質合成能力に注目して、大腸菌とカイコ細胞で遺伝子の複製が可能なバキュロウイルスシャトルベクター(バクミド)を世界で初めて開発し、mg単位でタンパク質の発現を実現するなど、タンパク質発現分野にブレイクスルーを起こしました。また、カイコで発現した組換えタンパク質の生化学的検証を始め、最近では、様々なウイルス様粒子(VLP)を自在に作製し、VLPの表面に複数の抗原提示法を開発するなど、カイコを将来ワクチン生産工場とするカイコバイオファクトリーの提唱およびいにしえの「シルクロード」から、日本を起点とし世界に展開する「バイオロード」の構築に尽力し貢献した業績が評価されました。
https://green.shizuoka.ac.jp/information/143rd_nihonshushigakkai0318/
グリーン科学技術研究所植物ゲノミックス研究コア長の富田因則教授が大会運営委員長を務める日本育種学会春季全国大会が静岡大学で開催されました(静岡市後援、グリーン科学技術研究所共催)。総会・学会賞受賞講演会を行う春季の全国大会は、従来、旧帝大か首都圏の大規模大学で開催されていましたが、初めて静岡大学で開催されました。
名誉会員から若手研究者まで約600人が全国から出席し、過去5年間で最多となる約200題の口頭発表が、共通教育A棟、B棟、人文社会科学部大講義室など7会場で展開され、活気に満ちた大会になりました。富田研究室の学生は「気候危機に負けないコシヒカリへの遺伝的改変」に関する3題の口頭発表を行いました。
https://green.shizuoka.ac.jp/information/1329/
8月31日、第4回【UniCReSS:静岡県大学研究連携シンポジウム】が開催されました。コロナ禍ではありますが、適切な感染対策の下、県内外から登録者数80名以上にお集まりいただきました。
静岡県三大学連携シンポジウムとして2019年に始まり、今年度は新たに東海大学、静岡理工科大学も加わり、更なる発展を遂げた記念すべき回となりました。
基調講演ではウイルス学の権威、松浦善治先生をお招きして「ウイルス学研究の課題と展望」をテーマにお話しいただきました。ウイルスとは何か、基礎から新型コロナウイルスのワクチンに至るまでの経緯を説明に始まり、日本における感染症研究の少なさを警鐘。CiDERという組織を作ってワクチン開発だけでなく流通や法整備も含めた広い範囲での感染症研究についてお話しくださいました。
講演を担当してくださった各先生方の研究は分野をまたがったものではありましたが、繋がる部分も多く、聴き応えのあるシンポジウムとなりました。また、休憩時間には活発に情報交換が行わている様子が見られました。県内の大学、企業の研究者が集まり、交流を含め多様な研究連携が更に広がり深まっていくきっかけとなったことと思います。
https://green.shizuoka.ac.jp/information/1129/
静岡県立沼津東高校との共同研究で、駿河湾から採集された深海魚の腸内細菌叢を解析した論文(下記)が国際学術誌Microbiology Resource AnnouncementsのTop Cited Articlesに選出されました。
Iwatsuki T, Kanazawa T, Ogasawara T, Hosotani K, Tsuchiya K, Watanabe S, Suzuki T, Moriuchi R, Kanesaki Y, and Dohra H. 16S rRNA Gene Amplicon Sequencing of Gut Microbiota in Three Species of Deep-Sea Fish in Suruga Bay, Japan. Microbiol Resour Announc 2021, 10(1), doi:10.1128/MRA.01260-20.
筆頭著者のコメント
私たちが執筆した論文に、多くの方が興味を持ってくださり、とても光栄です。先生方や漁師の方など、研究に多大なご協力頂いた方々にこの場を借りて深謝申し上げます。高校時代の研究で細菌叢を扱ったことで、巨視的に多様な細菌叢を実感することができました。この視点は、現在、大学で行っている微生物と宿主の相互作用についての研究にも生かせています。
https://kiki.shizuoka.ac.jp/
グリーン科学技術研究所にはゲノム機能解析部・分子構造解析部からなる研究支援室を設置しています。ゲノム機能解析部では次世代シーケンサーを始めとした最先端機器を、分子構造解析部では核磁気共鳴装置など各種分析機器を集中管理しており、学内利用者の研究と教育活動の支援、利用講習会の実施、ならびに大型機器を学外に開放することによる民間企業の活動支援を行っています。組織の改組を令和5年度に進め、静岡と浜松の両キャンパスの機器の管理・測定が一元化されます。ぜひ、みなさん、ご活用ください。
北海道大学
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東北大学
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