東北アジア研究センターは、従来の東アジアと北アジア地域を併せた新たな地域概念としての東北アジア地域を対象とする研究機関として、1996年、東北大学に設置されました。20世紀末以後、東アジアの中国、朝鮮半島、日本と北アジアのモンゴル、ロシアのシベリアや極東の関係はますます密接なものとなり、地域の文化・社会・経済・資源・環境等のさまざまな問題が共有されるようになりました。今我々には、東北アジアを枠組みとして、歴史的・現代的視点から、自然科学と人文社会科学の手法を駆使した文理諸分野連携の態勢により研究することが求められています。本センターは、東北アジア地域の諸問題を学際的・国際的な共同研究により推進し、その成果を地域社会に還元していくことを目的としています。
自然科学の知見を生かした新しい地域研究の成果が出ました。例えば、ロシア・シベリア分野の高倉浩樹教授(社会人類学)は、地理学や水文生態学らの専門家と共同で、北極域永久凍土地域の自然環境と人類文化史500年史を解明するとともに、現在の地球温暖化が過去にない早さで生態系と地域社会に影響を与えていることを明らかにしました(Anthropolocene, 18)。また地域生態学分野の千葉聡教授の学術図書『歌うカタツムリ:進化とらせんの物語』(単著、岩波書店、写真1)が第71回毎日出版文化賞自然科学部門を受賞しました。これはカタツムリ研究を素材に、生物進化研究史を振り返るもので、ローカルな地域生態系研究がグローバル生態系理解に寄与することを提起しました。所内の共同研究の成果としては『越境者の人類学:家族誌・個人誌からのアプローチ』(瀬川昌久編、古今書院、写真2)など市販学術書5点、『ブロニスワフ・ピウスツキのサハリン民族誌』(井上紘一編)などの学術書(非売品)を3点刊行しました。
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