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北海道大学電子科学研究所

Research Institute for Electronic Science, Hokkaido University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
居城 邦治
Ijiro, Kuniharu
キーワード
複合領域ナノサイエンス、光科学、物質科学、生命科学、数理科学
住所
〒001-0020
北海道札幌市北区北20条西10丁目
従来の枠組みを超えた新学術領域の創成

電子科学研究所(電子研)は「光」,「物質」,「生命」の3つの研究部門と「附属グリーンナノテクノロジー研究センター」および「附属社会創造数学研究センター」からなる研究体制のもと,積極的な異分野融合により世界トップレベルの「複合領域ナノサイエンス」の基盤を構築することで,学内および外部との連携による新たなイノベーションや新学術の創成を目指します。また,東北大多元研,東工大化生研,阪大産研,九大先導研と共に5大学研究所間アライアンスを組織し,大学の垣根を越えたネットワーク型「物質・デバイス領域共同研究拠点」として認定され,最先端のナノテク関連設備群の共用化,人材育成等を通じて,研究所横断的な共同研究を推進することで,異分野融合とマテリアルイノベーションの更なる加速を推進します。

令和3年度の研究活動内容及び成果


プレスリリースされた最近の研究成果

電子研では最新の研究成果を随時プレスリリースしています。2021年度に公開された研究成果の一部を以下に記します。

  • 人間の触錯覚のメカニズムを数理皮膚科学によって解明 — 世界で初めて「魚骨触錯覚の消失現象」を発見,技術開発応用への期待 —(人間数理研究分野)
    Scientific Reports https://doi.org/10.1038/s41598-021-90661-1
  • 皮膚疾患の病態再現を目指した表皮モデルを計算機上に構築 — 数理モデリングを用いた新しい皮膚疾患治療方法への応用に期待 —(人間数理研究分野)
    Scientific Reports https://doi.org/10.1038/s41598-021-92540-1
  • ミトコンドリアを狙い撃ちする癌光治療法の開発に成功 — 副作用の少ない癌治療を,ミトコンドリアに薬を運ぶ技術開発で! —(分子フォトニクス研究分野)
    Nanoscale Advances https://doi.org/10.1039/D1NA00427A
  • カイラルアノマリー公式の拡張 — Type-IIワイル半金属への適用に成功 —(ナノ構造物性研究分野)
    Applied Physics Letters https://doi.org/10.1063/5.0059547
  • 対称なナノ構造に生じるキラルな光の発現原理を解明 — 最先端の光電子顕微鏡を用いて生命の起源の謎に迫る! —(エキゾティック反応場研究分野)
    ACS Nano https://doi.org/10.1021/acsnano.1c07137
  • 電気スイッチ一つで絶縁体を高温超伝導体に! — 電解液を使わない全固体超伝導素子の開発に大きな前進 —(薄膜機能材料研究分野)
    ACS Applied Materials & Interfaces https://doi.org/10.1021/acsami.1c17014
  • 機械学習の停滞に関する新たなメカニズムを解明 —入力データゆらぎに誘導される停滞現象の発見により効率の良い機械学習系の構成へ期待—(生体分子デバイス研究分野)
    Physica D https://doi.org/10.1016/j.physd.2021.133095
  • シリコン(Si)の同素体開発に新たな進展 — 太陽光発電やイオン電池等,籠状のシリコン同素体の特性を利用した応用開発に期待 —(光電子ナノ材料研究分野)
    Advanced Materials https://doi.org/10.1002/adma.202106754
  • 細胞などの要素間相互作用の関係性をデータ駆動的に解明 — データ科学的に困難であった要素間の主従関係を同定する有力な手法として期待 —(データ数理研究分野)
    Science Advances https://doi.org/10.1126/sciadv.abj1720

 

社会との連携


開かれた研究所をめざして
国際連携

電子研は,世界16カ所の研究所・センターと交流協定を締結し,スタッフや学生の交流,ジョイントシンポジウム,共同研究プロジェクトを積極的に実施しています。様々な領域の国内外研究者が集まって特定のテーマについて議論する場を提供する目的で国際シンポジウムを毎年開催しています。その際,その年のテーマを漢字一文字で表すことにしています。2021年の漢字には「癒」を設定しました。新型コロナの感染拡大の影響で,オンラインで開催し,光科学,物質科学,生命科学,数理科学の4つの研究分野の融合領域での議論を深め,新たなネットワークを構築することを目的としました。2018年度に台湾国立陽明交通大学(旧 台湾国立交通大学)理学院と共同研究教育センターを設立して以来,毎年,台湾の2機関と電子研を含む5大学研究所間アライアンスと合同で国際共同シンポジウム,並びに共同講義3単位分を実施してきましたが,2021年度は新型コロナの感染拡大の影響で,国際共同シンポジウムと共同講義をオンラインで行いました。

国内連携 

電子研は,ネットワーク型「物質・デバイス領域共同研究拠点」において「ナノシステム科学分野」の取りまとめ研究所の役割を果たしています。2015年度から,外部機関の若手研究者が研究所に長期滞在して共同研究を実施するCOREラボを設置し,国外を含む他大学や研究所との共同研究体制を強化しています。

地域貢献

電子研は,毎年1回,研究所一般公開を実施し,市民への研究概要の説明と展示を行っています。特に小中学生向けの研究成果の展示が人気を集め,先端科学に触れる絶好の場として,札幌市民から高く評価されています。来場者数は年々増えており,2019年度は1000名超の来場がありましたが,2020, 2021年度は新型コロナの感染拡大により中止になりました。この他,読売新聞札幌支社と連携講座サイエンスレクチャー協定書を2019年度に取り交わし,主に中高生を対象とした体験型科学講座始めましたが,2020, 2021年度は中止になりました。

 

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