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九州大学生体防御医学研究所

Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
中別府 雄作
Nakabeppu, Yusaku
キーワード
多階層生体防御システム、感染ネットワーク、トランスオミクス、免疫学、がん生物学、発生再生医学
住所
〒812-8582
福岡県福岡市東区馬出 3-1-1
多角的に生体防御システムを解明する世界的研究拠点

本研究所は、1982年に医学部附属癌研究施設(福岡市東区)と温泉治療学研究所(大分県別府市)が統合されて発足し、2012年に創立30周年を迎えました。生体恒常性の維持に重要な「生体防御」を研究テーマに据え、生命現象の本質に迫る基礎研究を展開すると共に、生体防御の破綻による疾患の解明を目指しています。特に、免疫疾患、感染症、がん、発生再生等の研究で世界的な成果を挙げています。2010年より全国共同利用・共同研究拠点「多階層生体防御システム研究拠点」に認定され、2011年には別府地区の3分野(臨床部門)を九州大学病院へ移譲して、基礎研究に専念する体制を作りました。また、2013年にはトランスオミクス医学研究センターが発足し、オミクス横断的なデータ活用に基づく革新的な医学を目指しています。2016年4月からは、このセンターをコアに国内の3つの共同利用・共同研究拠点と協力して「トランスオミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業」に取り組みます。現在、3部門(8分野)、3センター(14分野)で活動を展開しています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


先天性免疫不全「ICF症候群」の原因遺伝子の発見

ICF症候群は、免疫不全、染色体の不安定性などを特徴とする遺伝病です。この病気では、免疫応答に必要な成熟したBリンパ球ができないため、多くの患者さんが重度の感染症により幼少期に亡くなります。一方、早期発見に基づく抗体補充療法により、感染症を抑えることも可能です。この病気の原因遺伝子としてDNMT3B(DNAメチル化酵素)などが見つかっていましたが、これらの遺伝子に変異のない患者さんも多く、原因の究明が望まれていました。本研究所の佐々木裕之教授らは、欧州の研究者との国際協力により、エキソーム解析という網羅的な遺伝子変異検出法を適用し、一気に2つの新規原因遺伝子を同定しました。これらは、HELLS(クロマチン再構成因子)とCDCA7(機能未知)(図)であり、この成果により90%以上の患者さんの早期診断が可能になりました。また、4つの遺伝子がひとつの病気を起こすことが明らかになったことで、DNAメチル化を介して染色体の安定性とリンパ球の分化を制御するネットワークが浮かび上がり、今後はこの病気の病態解明が加速されるものと期待されます。
図面:ICF症候群症例で見つかったCDCA遺伝子の変異(Nature Communications 6, 7870 (2015))。

Fig88_02

 

(a)CDCAタンパク質の構造と遺伝子変異から予想されるアミノ酸置換(赤字)。
(b-e)各家系における変異の同定。(b-e)各家系における変異の同定。

社会との連携


先端基礎医学ならびに臨床研究成果の社会へ還元
  1. 革新的先端研究開発支援事業のサポートを受け革新的医薬品の創出を目指した研究を進めています。
  2. 知の拠点セミナー、市民公開講座、バイオインフォーマティクス夏の学校等に積極的に貢献し、成果を分かりやすく社会へ発信したり、解説したりしています。
生体防御医学研究所本館

生体防御医学研究所本館

 

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