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九州大学生体防御医学研究所

Medical Institute of Bioregulation, Kyushu University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
中別府 雄作
Nakabeppu, Yusaku
キーワード
多階層生体防御システム、感染ネットワーク、トランスオミクス、免疫学、がん生物学、発生再生医学
住所
〒812-8582
福岡県福岡市東区馬出 3-1-1
多角的に生体防御システムを解明する世界的研究拠点

本研究所は、1982年に医学部附属癌研究施設(福岡市東区)と温泉治療学研究所(大分県別府市)が統合されて発足し、2017年に創立35周年を迎えました。生体恒常性の維持に重要な「生体防御」を研究テーマに据え、生命現象の本質に迫る基礎研究を展開すると共に、生体防御の破綻による疾患の解明を目指しています。特に、免疫疾患、感染症、がん、発生再生、神経生物学等の研究で世界的な成果を挙げています。2016年より第2期の全国共同利用・共同研究拠点「多階層生体防御システム研究拠点」の認定更新を受け、トランスオミクス医学研究センターをコアに国内の3つの共同利用・共同研究拠点と協力して「トランスオミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業」に取り組んでいます。さらに、2018年にはシステム免疫学統合研究センターを新設し、トランスオミクス医学研究に基づく新たな生体防御医学研究を推進して参ります。また、2018年4月に組織改編を行い、3部門(9分野)、2センター(13分野、内2分野は設置予定)で活動を展開しています。

平成29年度の研究活動内容及び成果


ダイレクトリプログラミングによるマウス及びヒト腸前駆細胞の作製

食物の消化や吸収を担う小腸や大腸は、胎児期の腸管を形成する腸前駆細胞が成体型の腸幹細胞へと成長することによって形成されます。これら胎児性の腸前駆細胞や成体型の腸幹細胞は、三次元培養下において生体内の腸上皮組織を模倣した三次元組織構造体(オルガノイド)を形成します。腸上皮オルガノイドは生体外で腸上皮組織を維持・培養できることから、基礎研究だけでなく、移植医療や創薬研究での利用も期待されています。しかしながら、腸上皮オルガノイドの細胞源を確保することは容易ではありません。そこで我々は、細胞の運命を人為的に変化させる「ダイレクトリプログラミング」の手法を用いて、胎児性の腸前駆細胞や成体型の腸幹細胞、並びにそれらが作る腸上皮オルガノイドを比較的簡便に採取可能な別の細胞から作製できないかと考え、これまで研究を進めてきました。その結果、マウスの皮膚やヒトの血管の細胞に4つの転写因子(Hnf4α、Foxa3、Gata6、Cdx2)を導入することで、これらの細胞を直接、腸前駆細胞(iFIP細胞)へ変化させることに成功しました(Miura and Suzuki, Cell Stem Cell, 2017)。作製したiFIP細胞は、三次元培養下で腸上皮オルガノイドを形成して増殖し、成体型の腸幹細胞(iIS細胞)が作る腸上皮オルガノイドへと成長しました。得られたiIS細胞は、腸上皮組織を構成するすべての細胞へ分化する能力(多分化能)と長期間自己と同じ細胞を作り続ける能力(自己複製能)を有していました。また、誘導したiFIP細胞やiIS細胞が作る腸上皮オルガノイドを大腸炎モデルマウスに移植すると、長期間、腸上皮組織を再構築することが可能でした。ダイレクトリプログラミングの手法によって作製されるiFIP細胞やiIS細胞を用いることで、既存の方法に対し、より簡便かつ効率的に腸上皮オルガノイドを取得できることから、今後、作製した腸上皮オルガノイドを用いた腸疾患の病態解析や再生医療、創薬研究への展開が期待されます。

ダイレクトリプログラミング

マウスの皮膚やヒトの血管の細胞から直接腸前駆細胞を作成することに成功
下の写真は誘導したマウス腸前駆細胞から形成された胎児型腸上皮オルガノイド(左)と
誘導した腸前駆細胞から成長した腸幹細胞によって形成された成体型腸上皮オルガノイド(右)

胎児型腸上皮オルガノイド(左) 成体型腸上皮オルガノイド(右)

社会との連携


先端基礎医学ならびに臨床研究成果の社会へ還元
  1. 革新的先端研究開発支援事業のサポートを受け革新的医薬品の創出を目指した研究を進めています。
  2. 知の拠点セミナー、市民公開講座、バイオインフォーマティクス夏の学校等に積極的に貢献し、
    成果を分かりやすく社会へ発信したり、解説したりしています。
  3. 中高生を対象とした研究所見学を実施することもあります。
生体防御医学研究所本館

生体防御医学研究所本館

 

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