国際乾燥地研究教育機構は、乾燥地や開発途上国等に関する研究·教育を全学体制で展開し、我が国トップの研究教育拠点を形成するため、平成27年1月に設置されました。令和6年4月には、本学における乾燥地研究組織の一元化や乾燥地科学分野の研究教育拠点としての実質化を進めるため、共同利用・共同研究拠点「乾燥地科学拠点」である乾燥地研究センターと統合しました。世界の砂漠化等の乾燥地問題に取り組む乾燥地研究センターの保有する最先端の研究施設と研究実績を基盤にして、全学の関連教員の参加により、オール鳥取大学の体制で真に学際的な研究、教育に取り組んでいます。乾燥地等の持続性向上に資する社会的インパクト・公共の価値(経済・社会・環境)を創出するというミッションを掲げ、乾燥地等における地球規模課題への対応に貢献することを目指します。
植物に遺伝的な多様性を導入するためには、交配する必要があります。植物を交配するためには、はじめに除雄作業が必須です。除雄方法には温湯除雄法、薬品法、細胞質雄性不稔法、手作業による方法などが開発されてきましたがどの方法も特定の種や品種でしか使うことができず、多大な労力と時間が必要でした。本成果では、一般的な試薬であるトリフルオロメタンスルホンアミド(TFMSA)を水に溶かし植物にスプレーすることにより、簡便に大量の植物を除雄する方法の開発に成功しました。トリフルオロメタンスルホンアミドはこれまでにイネ科であるソルガム、トウモロコシなどの単子葉植物でその有効性が確かめられていましたが、本成果によりササゲ(マメ科)、シロイヌナズナ(アブラナ科)、タバコ(ナス科)などの双子葉類植物の代表的なモデル植物でもその有効性が明らかになり、トリフルオロメタンスルホンアミドは植物の除雄方法として普遍的に利用が可能であることが示されました。
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