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高知大学海洋コア国際研究所

Marine Core Research Institute, Kochi University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
佐野 有司
Sano, Yuji
キーワード
地球掘削科学、古海洋学、層序学、地球化学、古地磁気学
住所
〒783-8502
高知県南国市物部乙200

海洋コア国際研究所(MaCRI)は、深海底や陸上で掘削されたコア試料を用いて、地球環境変動、地球内部変動、地球生命進化、さらに深海鉱物資源に関連する先端的研究を行う機関である。MaCRIは最新鋭の科学機器を備え、世界の3大コア試料保管拠点(日本・米国・ドイツ)の1つとして、国際深海科学掘削計画(IODP)など地球科学の最先端を開拓するために、国内はもとより海外の研究者にも施設を開放している。
2010年度から文部科学省の「地球掘削科学共同利用・共同研究拠点」として活動を開始し、2022年度からは「地球掘削科学国際研究拠点」として国内外の掘削科学を牽引する中核的拠点となって活動を継続、年間100件を超える多くの共同利用・共同研究を展開している。本学と国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)との包括連携協定の下、物部キャンパスの研究施設を「高知コアセンター」と総称して、特に国際深海科学掘削計画(IODP)及び国際陸上科学掘削計画(ICDP)に関わる地球掘削科学に関連した研究・教育等を推進している。このように、国内外の地球掘削科学の研究者コミュニティと連携して、本研究所の設備・機器を活用した共同利用・共同研究を行い、我が国主導の地球掘削科学やその関連分野の拠点形成と推進を担っている。

令和5年度の研究活動内容及び成果


海洋コア国際研究所への改組の実施

本学が標榜する「地域から世界へ、世界から地域へ」を具現化する研究施設として、令和5年度から海洋コア総合研究センターを「海洋コア国際研究所/Marine Core Research Institute (MaCRI)」へ改組・拡充した。
海洋コア国際研究所(MaCRI)では、共同利用体制の国際化・人材育成機能の強化・学術コミュニティとの連携強化を図るとともに、高知大学と海洋研究開発機構との包括連携協定を活用した研究力強化を通じて国際研究拠点としての機能を強化し、科学海洋掘削を軸とした国際プロジェクト研究の推進機能も整備することで本学における研究活動の国際化を先導する。

(共同利用・共同研究課題の実施)

IODP・ICDP関連および、海底エネルギー・鉱物資源、地球惑星科学・生命科学等に関連する共同利用・共同研究課題を169件採択(令和4年度146件[23件増])し、実施した。2月末には「令和5年度共同利用・共同研究成果発表会」を研究所セミナー室とZoomオンラインでハイブリッド開催した。26件の口頭講演と5件のポスター講演が行われ、計79名の参加者(対面44名、オンライン35名)に研究成果を発信した。

(地球掘削科学における若手人材育成)

日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)との連携において、地球掘削科学における研究手法や、計測技術の普及・レベルアップ、相互交流等を目的として、J-DESCコアスクール(コア解析基礎コース、コア同位体分析コース)を開催し、学生や院生、研究員20名(うち留学生2名)に講義・実習等のプログラムを実施した。
国際ワークショップ「インド洋-西大西洋における古海洋環境の変遷(参加60名)、「新第三紀における両極の気候変動と生態系」(参加30名)、第499回生存圏シンポジウム「深海と土壌の微生物代謝産物:収集・分析・生物学的相互作用上の機能」(京都大学生存圏研究所と共同開催:参加30名)、国際研究小集会「モンゴル永久凍土動態と植生変遷の復元に向けた研究小集会(参加約10名)及び国際研究小集会「南極湖沼コアの古環境学」(第4回南極古環境談話会)(参加約20名)により、研究成果の共有とともに、国際交流が行われる等、これらの取組を通じて、地球掘削科学における若手人材育成と人材ネットワークの構築を図った。

地球掘削科学及び境界領域の研究成果の発表

拠点機能の強化・拡張を図るため、国内外の組織・研究者と連携して地球掘削科学及び境界領域の研究を推進し、研究成果に関する論文発表を実施した。その内、Journal of Hydrology誌においては、共同利用・共同研究(国内、国際)に関連するTOP10%論文の実績(SCOPUS 91th percentile 2024.4.16時点)が得られた。

社会との連携


アウトリーチ活動の一環として施設見学を積極的に受け付けており、小中高生の見学では、研究紹介の授業やコア解析を体験する実習等を実施している。また、大学院生・若手研究者向けにコア解析の技術指導を行う合宿型スクールを実施しており、コミュニティーの活性化に貢献している。

アウトリーチ

高知大学海洋コア国際研究所設立20周年記念講演会「高知で進む 海洋地球の研究」を開催した。
講演会では、定員を大幅に上回る一般を含む参加者及び研究者等(136名)と地球掘削科学共同利用・共同研究拠点の成果と今後の展望について、特別講演会や意見交換を行った。

物部キャンパス1日公開において海洋コア国際研究所を一般に開放し、研究所の研究事例などを紹介し1,270人の入場者があった。

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