熊本大学発生医学研究所は、昭和14年に設置された体質医学研究所を原点にして、昭和59年に遺伝医学研究施設、平成4年に遺伝発生医学研究施設を経て、平成12年に前身の発生医学研究センターが設立されました。平成21年に発生医学研究所に改組拡充し、平成22年に「発生医学の共同研究拠点」として文部科学省の認定を受けています。令和4年度からは、文部科学省共通政策課題(共同利用・共同研究拠点の強化)「高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業」に、令和5年度からは学際ハブプロジェクト(4D システム発生・再生学イニシアティブ)にも参画しています。
発生医学は、身体を構成する細胞が増殖分化して組織や器官を形成する発生プログラムを明らかにし、病気の解明や治療、組織の再構築を実現する研究分野になります。再生医療は、発生のメカニズムを用いて、必要な細胞や組織を作製する応用に位置づけられます。本研究所は、3部門14専任分野、さらに学外招聘の客員分野および学内併任の研究担当から構成されます。
・発生制御部門(発生機構および疾患発症の防御機構を主に分子・細胞の観点から解明)
・幹細胞部門(ES細胞・iPS細胞・組織幹細胞等の制御機構の解明と再生医療への展開)
・器官構築部門(個体の組織・器官発生を制御する基本原理を医学的視点から解明)
平成24年度に附属「臓器再建研究センター」(Center for Organ Regeneration Research:CORRE)を設置し、医学応用と産学連携の人材育成に貢献する体制を創りました。さらに「リエゾンラボ研究推進施設」(Liaison Laboratory Research Promotion Center:LILA)を開設し、共同研究拠点の整備拡充、技術系職員の配置、研究支援会議の毎月開催等によって、研究支援体制を強化しています。
将来の医学・医療と新しいイノベーションの創出に貢献を果たすために、また若手研究者が高度専門職業人として社会で活躍できる能力を向上するために、「将来の医療のために臓器を創る」というミッションを掲げて、「臓器再建研究センター」を附置しました。本センターは、下記の2ユニットで構成されて、我が国の臓器再建研究を推進します。また、本研究所の共同研究拠点の事業に加わり、基礎研究から臨床研究に及ぶ研究者コミュニティーの支援と社会貢献を果たします。
・臓器再建ユニット(膵臓・肝臓・腎臓等のエネルギー臓器を再建する研究の推進)
・再建保証ユニット(エピゲノム・バイオマーカーを用いて再建臓器を保証する技術開発)
また、高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業推進のために、「高深度オミクス研究センター」を附置し、本学の強みである発生医学とデータ駆動型サイエンスをさらに深化させて、積極的に国際的ネットワークを構築するとともに、本研究所リエゾンラボ研究推進施設との連携により発生医学の国際研究教育拠点として、社会的な役割を一層強化します。
リーディングプログラム「グローカルな健康生命科学パイオニア養成プログラムHIGO」では、大学・行政・産業界が連携した大学院教育プログラムによって、社会のニーズと生命科学を理解して、地域と世界を結ぶリーダーの養成を行います。
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