東洋文化研究所は、東洋文化を綜合的に研究する研究所として1941年に設置されました。ユーラシア大陸を中心に、アジア諸言語を用いる広大な地域を主な研究対象としています。
所員の専門分野は政治、社会、法律、経済、宗教、思想、文化、人類、歴史、考古、文学、美術など多岐にわたり、研究所総体として広い視野での研究を可能にしています。他方で、アジア諸地域の社会・文化に根差した固有の考えに寄り添い、西洋を普遍とする近代的な学問の枠組みからアジア研究を解き放つ、アジア研究のアジア化、アジア研究の普遍化を実践し、新しい普遍に寄与しようとしています。
アジア研究の世界的拠点として、漢籍に代表される世界有数の蔵書を整備して国内外の研究者に供するとともに、海外若手研究者の受入、大学院・学部における教育活動にも従事し、今後のグローバル社会を担う人材養成にも力を注いでいます。
■国際共同研究、人材養成の推進
各所員が独自に有する国際的研究ネットワークを活用した世界の研究機関との実効的な学術交流協定を多数締結し、国際共同研究や研究者交流を推進しています。また、魅力的な研究環境を整備することで、訪問研究員として海外の研究者や大学院生を長期短期で多数受け入れています。
■研究資源の共有化
附属の東洋学研究情報センターでは、アジア研究に関する各種の情報を整理し、アジア研究のためのデータベースとして全世界に発信しています。
図書室では、アジア研究のための第一級資料や希少な学術資料を収集するなど多様性ある蔵書(書籍約70万冊、雑誌約1万タイトル)を整備することで、世界の研究者が集う最高水準のアジア研究環境を構築しています。また、デジタルアーカイブ化を推進し世界屈指のコレクションとして公開しています。
■Global Asian Studies (GAS)
世界のアジア研究者間の対話を通じてアジアの視点による新しい研究アジェンダを再定義することで、アジア研究のアジア化、普遍化を実践するプロジェクトを2022年度から開始しました。同時に、国際交流基金との連携により若手アジア研究者を本研究所へ招へいし、世界と日本のアジア研究をつなぐ人材に育成する事業が始動しました。これにより、国際的アジア研究ネットワークの強化にも取り組みます。
■東アジア藝文書院 (EAA)、潮田総合学芸知イニシアティヴ (UIA)
EAAは、北京大学と東京大学が共同運営する研究・教育プログラムです。アジアの共通の未来を担う人材を育成するための「リベラル・アーツとしての東アジア学」を構築していきます。2022年度からは、EAAが培ってきた国際的な学術ネットワークをいかし、アジアの思想・技芸・文化・社会に対して総合的な研究を行うUIAがスタートしました。
■公開講座・シンポジウム・セミナー
一般の方を対象とした公開講座を開催し、その模様は東京大学公式ウェブサイト東大TVにて公開しています。また、東文研セミナー、東文研シンポジウム等を定期的に開催し、最新の研究成果を社会に発信しています。
■講習会
毎年6月から9月にかけて、漢籍を多く所蔵する全国の大学図書館、博物館等の職員を対象に「漢籍整理長期研修」を開催し、学術資料としての漢籍の有効な利用を促進しています。
■学術刊行物
北海道大学
帯広畜産大学
東北大学
弘前大学
筑波大学
群馬大学
千葉大学
東京大学
東京外国語大学
東京科学大学
一橋大学
新潟大学
富山大学
金沢大学
静岡大学
名古屋大学
京都大学
大阪大学
神戸大学
鳥取大学
岡山大学
広島大学
徳島大学
愛媛大学
高知大学
九州大学
佐賀大学
長崎大学
熊本大学
琉球大学