被ばく医療総合研究所は5部門から構成され、外部・内部被ばく線量評価、染色体解析・生物学的影響に関する研究、放射性核種の環境動態、放射化学分析法の開発、被ばく医療などの基礎研究を行っています。
また、弘前大学は原子力規制委員会から原子力災害に対応するナショナルセンターに指定されており、その中で本研究所は平常時及び緊急時における高度被ばく医療に関する支援業務の一翼を担っています。さらに、平成31年度から筑波大学放射線・アイソトープ地球システム研究センター等とともに文部科学省より共同利用・共同研究拠点(拠点名:放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点)に認定されました。
当研究所は、弘前大学の特徴的な取組みの一つである「被ばく医療と放射線防護に資する基礎研究」を推進する専門家集団として、国内外機関と緊密な連携による研究活動を推進するとともに、放射性物質における環境動態研究および放射線防護・被ばく影響研究の国際的な中核拠点形成を目指していきます。
弘前大学被ばく医療総合研究所及び大学院保健学研究科は山形大学と「無色透明かつX線を遮蔽できる複合材料」を世界で初めて開発しました。
本複合材料は、これまで遮蔽材料として広く用いられていた鉛を使用せず軽量かつ天然素材に複数の金属を配合し開発しました。液体から固い複合体、または柔らかい複合体が開発できることに加え、生分解、リサイクルが可能な環境にやさしい複合材料となっており、医療をはじめ宇宙分野、原子力関連分野での活用が期待されています。
すでに国内特許出願(弘前大学と山形大学との共同出願)を行うとともに、海外での権利化も目指し、国際特許出願(科学技術振興機構JST 知財活用支援事業に採択)も行いました。
研究成果はAmerican Chemical Societyアメリカ化学会の査読付き国際ジャーナル ACS Omega (IF:4.0 https://doi.org/10.1021/acsomega.4c07904 Ryoma Tokonami et al.)に受理、掲載されています。
本研究所では、福島イノベーション・コースト構想推進機構の「大学等の『復興知』を活用した人材育成基盤構築事業」に採択され、浪江町を教育実践のフィールドとした「浪江町の復興をフォローアップする地域人材育成のための保健・環境・教育プログラム」に取り組んでいます。令和6年度も9つの多様な教育プログラムを実施しました。
(主な実施内容)
・放射線防護を学ぶ学生のための教育プログラム:浪江町で空間線量マッピング研修
・放射線生物影響を学ぶ学生のための教育プログラム:浪江町で水生生物に関する生物多様性体験型学習、浪江町で昆虫に関する生物多様性体験型学習
・看護学生のための教育プログラム:浪江町役場職員への健康相談とリスクコミュニケーションの支援実習、地域住民への健康相談および各種健康チェックの支援実習
・地域教育を学ぶ学生のための教育プログラム:なみえ創成小学校・中学校において教育支援実習、放射線に関する出前授業
・桜復興・観光資源保全に向けた教育プログラム:浪江町の桜調査、技術指導、剪定等の管理作業
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