1970年2月、広島大学は広島市にあった旧キャンパスに「大学問題調査室」を設けました。その後、発展的改組し1972年5月1日、日本で最初の大学・高等教育研究のための専門組織である「大学教育研究センター」が、学内共同教育研究施設として誕生しました。東広島市への大学移転に伴い、1995年4月以降、中央図書館の一角に独立した施設・設備を設け、高等教育研究および大学院教育に従事してきました。2000年4月には、名称を「高等教育研究開発センター」に改め、組織を改組・拡充しました。そして、2022年5月1日には創立50周年を迎えました。今後とも、当センターの研究教育成果が、高等教育政策や大学制度改革、そして未来の大学像の描出に資するよう邁進してまいります。
当センターの研究活動は、高等教育の幅広い分野をカバーしています。具体的には高等教育システム・経営、大学カリキュラム開発、大学アドミッション、大学職員開発、高等教育国際化、研究倫理などです。最近ではとくに、大学院教育、高等教育の国際化、大学の多様化・機能分化等に関して、海外や学外の研究者を含む共同研究を進めてきました。それらの成果は、全国および海外の高等教育研究者の集う「研究員集会」「国際セミナー」などで発表し、またセンター発行のジャーナル、その他、出版物によって成果報告がされています。センターが中心になって刊行している英文ジャーナル『Higher Education Forum』は、国際的な編集体制に支えられて、Scopus等にも採録されています。また、当センターは設立直後から、高等教育研究の国内交流の中心であると同時に海外との交流窓口の役割を担ってきました。国内に関しては、全国大学教育研究センター等協議会の1996年設立以来、事務局を担っています。
当センターは、高等教育に関する文献・統計資料等を長期、広範に収集・蓄積しており、学外利用者を含め、広く公開しています。学外研究者がこれらの資料やセンター教員の知識等を活用して調査研究を行う場合には、目的に応じて共同研究を行うなど適切な方式で支援しています。
コロナ禍以降は、公開研究会のリモート開催が多くなりましたが、国内外の研究者から最新のトピックスについて報告していただいています。令和5年度はCOVID-19の余波で開催回数は減少しましたが、9回の研究会(うち3回は海外研究者が講師)を開催しました。かなりの割合の研究会は、映像、スライド、ディスカッションペーパーの形で整理され、センターのwebで公開をしています。
各大学のIR業務担当者等を対象とする実務的研修をリモートで、また各地に出向いて実施しています。
さらに、博士課程前期・後期において、高等教育のさまざまな分野での大学院教育を実施し、研究者、管理者、その他大学関係の専門職養成を行っています。
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