岡山大学惑星物質研究所は、惑星物質科学に基づき生命の起源や惑星の誕生・進化・ダイナミクスの解明を目的とした共同利用・共同研究拠点です。2024年4月より、宇宙開発事業への貢献を目指した研究を展開し、社会実装化を牽引する惑星表層環境部門を新たに立ち上げました。そして、惑星表層環境から超高圧まで、ミクロからマクロまでのシームレスな実験・分析が可能な機器を利用する機会を、国内外の研究者に積極的に提供することによって、惑星の進化、生命の起源、惑星探査に関する地球惑星物質科学研究を推進しています。また、15年以上継続して実施している「三朝国際学生インターンシッププログラム」や国際交流協定等による学生の受け入れを通じて大学院教育を実施し、世界で活躍できる次世代研究者の育成と国際教育研究拠点の構築を目指しています。
本研究所の石井貴之准教授を含む国際共同研究グループが高酸素濃度下で地球マントル岩石の高圧融解実験(1)を行い、酸素濃度の上昇に伴い、マントル岩石の融解温度が急激に低下することを明らかにしました。初期地球内部は、現在の地球内部よりも低い酸素濃度であったと考えられており、今回得られた高酸素濃度下でのマントル岩石の融解温度から、低酸素濃度の初期地球のマグマオーシャンの海底温度(深さ 1000 km)を見積もると、従来のモデルから推定されている温度より 500℃以上高いことがわかりました(図1)。
本研究所は、部門再編を実施し、令和6年度より新たに惑星表層環境部門を立ち上げ、当部門を研究者コミュニティや社会へ広く発信するため、国際シンポジウムⅧを令和7年3月に開催しました。シンポジウムには、国内外から大学院生を含む研究者63名の参加並びに鳥取県や三朝町等地域関係者を招待し、広く当部門を発信並びにステークホルダーの皆様と意見交換を実施しました(図1)。また、研究成果・教育活動・研究設備等に関する情報を、昨年度よりリニューアルしたホームページと所内広報誌に掲載している他、アウトリーチ活動として、日本地球惑星科学連合大会での研究所展示ブースの出展、小中高生などの研究所見学の実施、展示室の開放等、学生や地域の人々など広く社会へ本研究所や研究活動について発信しています(図2)。
北海道大学
帯広畜産大学
東北大学
弘前大学
筑波大学
群馬大学
千葉大学
東京大学
東京外国語大学
東京科学大学
一橋大学
新潟大学
富山大学
金沢大学
信州大学
静岡大学
名古屋大学
京都大学
大阪大学
神戸大学
鳥取大学
岡山大学
広島大学
徳島大学
愛媛大学
高知大学
九州大学
佐賀大学
長崎大学
熊本大学
琉球大学