細胞デザイン医科学研究所は、山口大学が強みとする革新的細胞デザイン技術を核として、次世代の細胞治療、遺伝子治療のシーズを次々と創出する国際研究開発拠点を目指して令和5年10月に設立されました。創出した革新的技術に基づく最先端の免疫療法やゲノム医療の実用化を推進し、がんや遺伝病といった難治性疾患の治療法を開発するとともに、これらの革新的治療法を伴侶動物においても応用、検証することを目指しています。人と伴侶動物において得られる知見を相互にフィードバックする好循環を生むことで、創出した技術の社会実装を介した創薬エコシステムの形成、産業創出による地域社会への貢献と人材育成、人と伴侶動物の健康寿命の延伸に取り組んでいます。
治療薬のない厚生労働省の指定難病である筋強直性ジストロフィーに対し、すでに他疾患で使用されているエリスロマイシンの有用性を検証する医師主導治験を実施しました。その結果、筋強直性ジストロフィーの疾患の本態となるスプライシング異常を改善させる有効性を世界で初めて報告しました(Nakamori M, et al., eClinicalMedicine, 2024)。世界初の筋強直性ジストロフィー治療薬として、今後のエリスロマイシンの治療開発に期待されます。
日本全薬工業株式会社との共同研究により抗犬PD-1モノクローナル抗体ca-4F12-E6を開発し、犬のさまざまな腫瘍に対して獣医師主導臨床試験を実施し、口腔内メラノーマ以外の腫瘍に対する治療効果を世界で初めて報告しました(Igase M, et al., Journal of Veterinary Science, 2024)。本臨床試験により、扁平上皮癌と未分化肉腫の症例において治療効果が認められました。また、肺癌や尿路上皮癌の症例においても免疫チェックポイント阻害薬に特徴的な治療効果が認められており、これらの腫瘍は新たに抗犬PD-1モノクローナル抗体の治療対象になることが期待されます。
細胞デザイン医科学研究所の設立に際し、記念シンポジウムを開催しました。当日は現地とオンライン合わせて198名が参加しました。本研究所と関連の深い、世界的な第一人者の講演者による独創的な研究講演や、金融や行政、コンサルティングからの視点による再生・細胞療法・遺伝子治療の開発動向に関する講演等、細胞デザイン医科学研究所の目指す方向や果たすべき役割について議論が繰り広げられました。
ゲノム編集治療の研究・教育拠点としての発展を目指すため、細胞デザイン医科学研究所は広島大学ゲノム編集イノベーションセンターと包括連携協定を締結しました。
北海道大学
帯広畜産大学
東北大学
弘前大学
筑波大学
群馬大学
千葉大学
東京大学
東京外国語大学
東京科学大学
一橋大学
新潟大学
富山大学
金沢大学
静岡大学
名古屋大学
京都大学
大阪大学
神戸大学
鳥取大学
岡山大学
広島大学
徳島大学
愛媛大学
高知大学
九州大学
佐賀大学
長崎大学
熊本大学
琉球大学