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山口大学細胞デザイン医科学研究所

Research Institute for Cell Design Medical Science,Yamaguchi University
  • 第2部会

研究所・センターの概要


所長
玉田 耕治
Tamada, Koji,
キーワード
デザイナー細胞、ゲノム編集、医獣トランスレーショナルリサーチ
住所
〒755-8505
山口県宇部市南小串1-1-1
人と伴侶動物が健康で長生きし共生する社会を創る

細胞デザイン医科学研究所は、山口大学が強みとする革新的細胞デザイン技術を核として、次世代の細胞治療、遺伝子治療のシーズを次々と創出する国際研究開発拠点を目指して令和5年10月に設立されました。創出した革新的技術に基づく最先端の免疫療法やゲノム医療の実用化を推進し、がんや遺伝病といった難治性疾患の治療法を開発するとともに、これらの革新的治療法を伴侶動物においても応用、検証することを目指しています。人と伴侶動物において得られる知見を相互にフィードバックする好循環を生むことで、創出した技術の社会実装を介した創薬エコシステムの形成、産業創出による地域社会への貢献と人材育成、人と伴侶動物の健康寿命の延伸に取り組んでいます。

令和5年度の研究活動内容及び成果


筋強直性ジストロフィーに対する世界初の根本的治療薬開発
~医師主導第二相治験により有効性を支持する成果~

治療薬のない厚生労働省の指定難病である筋強直性ジストロフィーに対し、すでに他疾患で使用されているエリスロマイシンの有用性を検証する医師主導治験を実施しました。その結果、筋強直性ジストロフィーの疾患の本態となるスプライシング異常を改善させる有効性を世界で初めて報告しました(Nakamori M, et al., eClinicalMedicine, 2024)。世界初の筋強直性ジストロフィー治療薬として、今後のエリスロマイシンの治療開発に期待されます。

犬のがんに対する免疫チェックポイント分子阻害抗体医薬(抗PD-1犬化抗体)の適応拡大が期待
~犬の扁平上皮癌と未分化肉腫に治療が奏効した初報告~

日本全薬工業株式会社との共同研究により抗犬PD-1モノクローナル抗体ca-4F12-E6を開発し、犬のさまざまな腫瘍に対して獣医師主導臨床試験を実施し、口腔内メラノーマ以外の腫瘍に対する治療効果を世界で初めて報告しました(Igase M, et al., Journal of Veterinary Science, 2024)。本臨床試験により、扁平上皮癌と未分化肉腫の症例において治療効果が認められました。また、肺癌や尿路上皮癌の症例においても免疫チェックポイント阻害薬に特徴的な治療効果が認められており、これらの腫瘍は新たに抗犬PD-1モノクローナル抗体の治療対象になることが期待されます。

社会との連携


設立記念シンポジウム開催

細胞デザイン医科学研究所の設立に際し、記念シンポジウムを開催しました。当日は現地とオンライン合わせて198名が参加しました。本研究所と関連の深い、世界的な第一人者の講演者による独創的な研究講演や、金融や行政、コンサルティングからの視点による再生・細胞療法・遺伝子治療の開発動向に関する講演等、細胞デザイン医科学研究所の目指す方向や果たすべき役割について議論が繰り広げられました。

国立大学法人広島大学ゲノム編集イノベーションセンターとの包括的連携

ゲノム編集治療の研究・教育拠点としての発展を目指すため、細胞デザイン医科学研究所は広島大学ゲノム編集イノベーションセンターと包括連携協定を締結しました。

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