大阪大学微生物病研究所は感染症・免疫疾患を中心とした難治疾患の克服に向けた研究を行っている研究所です。1934年の設立以来、感染症の基礎研究とその制圧について研究を進め、新しい病原菌や病原ウイルスの発見、ワクチンや診断薬の開発など感染症、免疫学分野で多大な貢献をしてきました。また、がんの発生機構の研究にも早くから取り組み、世界に先駆けた培養細胞における発がんの成功、がん遺伝子やがんウイルスの発見など多くの成果を上げ、がん研究の発展に寄与してきました。さらに、研究所で最初に発見された細胞融合現象は体細胞遺伝学の発展や単クローン抗体の開発などに貢献し、現代の生命科学の基礎を築きました。2019年から世界的大流行となった新型コロナウイルスについても、ワクチンや治療法開発に向けて疾患発症のメカニズムを解明すべく研究を進めています。
大阪大学微生物病研究所は1934年の設立以降、微生物病をキーワードに、病原体や感染症、免疫、がんを中心に研究を展開し、生物学分野における基礎研究を牽引してきました。80年以上の歴史の中で、さまざまな研究者が切磋琢磨しながら傑出した功績をあげています。
2010年以降は文部科学省共同利用・共同研究拠点として、生物学・医科学分野の研究活性化に広く貢献しています。
2023年度は研究所のミッションである感染症・免疫・がんの各分野における研究を推進し、難治疾患の完全克服を目指して研究を展開しました。特に、未加齢に伴うB細胞の細胞老化が腸内細菌叢の乱れを引き起こすことを発見、英国科学誌Nature Cell Biology誌に掲載(Kawamoto et al., Nature Cell Biology, https://doi.org/10.1038/s41556-023-01145-5)されるなど、多くの研究成果を関連分野の主要誌に発表しています。
次世代の科学人材育成を目指し、高校生及び高校教員対象のオンラインセミナーを実施しました。
高校生のためのミチシルベ
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/news_topics/detail/1547
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/news_topics/detail/1548
高校教員対象SpringSchool2024@微研
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/news_topics/detail/1603
また、学内関連研究所及び(一財)阪大微生物病研究会との協働により「阪大微研のやわらかサイエンス 感染症と免疫のQ&A」サイトを設置し、新型コロナウイルスについて、科学的に正しい情報のより広範への発信に努めています。
https://biken.yawaraka-science.com/
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