生態学研究センターは、生態学の基礎研究と国際共同研究の推進を目的に、平成3年に全国共同利用施設として設置されました。現在は、生態学・生物多様性科学の共同利用・共同研究拠点として、国内外の研究者が利用できる研究体制を取っています。当センターでは、生物の個体群や群集、生態系など、個体レベル以上の生命現象をさまざまな観点から研究しています。多様な生物が、互いに影響を与えつつも共存している姿を描き出し、生態系が成り立っているプロセスや進化の理解と、我々が生態系から受けているさまざまな恩恵の解明を目指しています。
送粉共生、種子散布共生、菌根共生は、それぞれが植物の多様化や陸上生態系の構築に重要な役割を果たしてきました。これらの共生関係は、互いにどのように関わり合いながら進化してきたのでしょうか?本研究では、樹木における送粉様式(動物媒・風媒)、種子散布様式(動物散布・風散布・重力散布)、菌根共生のタイプ(AM・EcM)の関係性について、樹木の系統関係を考慮した解析を実施しました。その結果、送粉共生、種子散布共生、菌根共生は互いに密接に関連して進化(相関進化)しており、AMと共生する樹種は、送粉・種子散布ともに動物媒を示す種が多く、EcMと共生する樹種は、送粉は風媒、種子散布は重力または風散布を示す種が多いことが明らかになりました。これらの研究成果は、樹木の多様化や森林生態系の形成過程を紐解く新たな糸口になると期待されます。
京都大学は、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じてそれぞれの地域社会における「京都大学の窓」となっています。これらの施設をそれぞれの地域により溶け込ませるため、京都大学は「京大ウィークス」として各施設を一般公開し、さまざまな公開イベントを行っています。
生態学研究センターは、京大ウィークスの機会を利用して、生態学の入門講座を一般市民向けに開催しています。例年、「学校で習わない生き物の不思議」と題した講演のほか、野外観察会またはセンター内においてパネル展示などを行い、参加者からは大変な好評をいただいています。この企画は、毎年少しずつ工夫をしながら、今後も継続します。
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