人文科学研究所は1929年に外務省が設立した東方文化学院京都研究所(のち東方文化研究所に改称)、その後に民間団体が設立したドイツ文化研究所(のち西洋文化研究所に改称)と京都大学人文科学研究所の3研究所が1949年に統合し、新たに「世界文化に関する人文科学の総合研究」を目的として発足しました。この間、国内外の研究者たちと連携し、古典文献の会読、フィールド調査、そして相互討論を通じて考察を深める共同研究を高頻度で開催することにより、多民族・多文化間の調和ある共生に資する知見を発信してきました。現在は人文学・東方学の2研究部と人文情報学創新センター・現代中国研究センターの2附属センターから構成され、2010年からは共同利用・共同研究拠点の「人文学諸領域の複合的共同研究国際拠点」として活動しています。
共共拠点の活動として、課題公募班(一般A)のほかに、45歳以下の若手から公募する萌芽研究と国際研究ミーティング、国際シンポジウム・ワークショップを積極的に募集し、支援しています。対面やオンライン開催、ハイブリッド開催を組み合わせながら毎週や隔週という高頻度で開かれる共同研究は32班、参加者は年間のべ1万人を数え、その半数以上が学外のメンバーで構成されています。世界的評価が高い研究成果も多く、1950年代に刊行された『雲崗石窟』全16巻32冊は、2014年以降、未収録の写真・拓本・図版や最新の研究成果を加え、中国社会科学院考古研究所との共同編集になる日英語版と中国語版の『雲岡石窟』全20巻42冊(科学出版社、北京)として刊行されました。共同利用拠点としては、附属人文情報学創新センターで公開している所蔵石刻拓本資料(拓本文字データベース)は年間6254万件のアクセス(令和4年度実績)があり、東方学デジタル図書館や全国漢籍データベースを含めると、1日あたり平均33万件あまりのアクセス数におよんでいます。
人文研は当初から夏期講座(7月)などを通じて研究成果の社会還元に努めてきました。2006年に「人文研アカデミー」を発足させ、共同研究の最新成果を世に問うセミナー、レクチャー・コンサート、タイムリーな問題を討議する特別シンポジウムなどを年間30回近く企画実施しています。このほか附属人文情報学創新センターでは2005年より東京で中国学にかんする「TOKYO漢籍SEMINAR」(年1回)を開催しています。さらにフランス国立極東学院京都支部・イタリア東方学研究所との共催による「Kyoto Lectures」(毎月開催)など新たな試みにも挑戦しています。対話とふれあいの場としての開かれた研究所をめざす活動の一環です。
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