高柳健次郎博士のテレビジョン研究に端を発する本研究所は、「ビジョンサイエンスの基礎と応用」に特化した研究機関です。21世紀COEプログラム「ナノビジョンサイエンスの拠点創成」、浜松オプトロニクスクラスター、特別教育研究経費等で培ってきたイメージング技術にナノエレクトロニクス、ナノフォトニクス、ナノマテリアル等を融合させ、極限解像度、極限時間分解能、原子・分子識別不可視画像などの実現を目指す極限画像を創成し、科学技術の発展に貢献することを目的としています。また、国内外の機関と活発な共同研究を実施するとともに、その先端研究施設・設備を広く産官学における研究者の共同利用に供し、その社会的役割を果たしています。平成28年度より、東京医科歯科大学「生体材料工学研究所」、東京工業大学「未来産業技術研究所」、広島大学「ナノデバイス・バイオ融合科学研究所」とネットワーク型共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」を形成し、全国共同利用・共同研究拠点として活動しています。
GaP結晶中の差周波発生法による連続波テラヘルツ光源を用いたテラヘルツレーザー分光スペクトル測定装置は、帯域幅0.6~6.0 THzにおいて3 MHz以下の高い周波数精度を実現している。これを用いてD-マンニトール固体結晶中で、吸収線幅約990 MHzの鋭い吸収線を初めて観測した(図1)。この結晶中に構造異性体分子であるD-ソルビトールを混入させると混入量に応じて吸収周波数が低波数にシフトすると共に吸収線幅が増大することを見出し、これを指標とすることで既存の検出法の性能を超えるppmオーダーの検出限界が得られることがわかった(図2)。一般的な不純物検出方法が不純物分子(あるいは原子)を直接検出することに対して、本手法は不純物を直接検出するのではなく、不純物が母結晶の格子振動に与える影響として検出するという発想の転換によってこれを実現した(図3)。医薬品に毒性のある不純物が微量でも混入すると深刻な薬害に直結する。また、保管中の医薬品原薬分子が有毒な分子に変性する事例も報告されており、極微量検出のニーズは高い。特に次世代医薬品と呼ばれている中分子医薬品では鋭い吸収線が多数観測されるので、工程管理や品質検査において本手法の利用が期待できる。
浜松の地は多くのベンチャー企業発祥の街として有名であり、当研究所は浜松地域に対して強い連携を築いています。研究所は近隣企業との交流を活性化するため、定期的な技術交流会を開催しています。また、研究所の所員が中心となり4つの大学発ベンチャー企業を経営しています。国内外の先導的研究者の招待講演と研究所の所員の成果を一般に公開する高柳健次郎メモリアルシンポジウムを研究所は毎年開催しています。また、一般市民に先端科学技術をやさしく紹介するサイエンスカフェin浜松やテクノフェスタin浜松の企画・運営に研究所の所員が積極的に参画しています。
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