少子高齢化の急速な進展や地球規模の環境悪化は、我々人類をはじめとする全ての生物の生存を脅かしています。グリーン科学技術研究所は、このような深刻な社会・環境の変化に対応できる新たなハイテク集約型科学技術の構築を目指し、平成25年4月に設立されました。
本研究所は、グリーンエネルギー研究部門、グリーンバイオ研究部門、グリーンケミストリー研究部門の3研究部門と、各研究部門を技術面から支える研究支援室とで構成されています。本学の研究フェローや若手重点研究者は、世界をリードする基礎的・独創的研究に取り組んでおり、国内外の関連企業や研究機関との共同研究、地元自治体と積極的に連携することにより、社会に対する責任を果たしていきたいと考えています。
地球温暖化が原因と考えられる極端な気温変化により、農作物の収量低下と品質劣化が問題になっています。特に、夏季に頻発する異常高温は、コメの未熟粒や野菜の葉枯れ、果実の色落ちなど、様々な高温障害を引き起こしています。植物は、徐々に上昇する温度には、生まれ備わった高温耐性、例えば熱ショック蛋白質の誘導により、適応することが出来ます。しかし、急激な温度上昇には、適応することが出来ず、高温障害が発生します。本研究所では、植物の熱ショック蛋白質の蓄積を、定量的に促進する天然物質を見出し、圃場実験で成果を得ました。これに基づき、国内の医療器具メーカーと共同研究を進め、2017年度、1社3大学から成る、植物熱耐性向上資材商品化のためのコンソーシアムを設立しました。本研究所は、その代表として、3年後の商品化に向けて研究開発を主導しています。
■地域産業界への科学・技術サービス
グリーン科学技術研究所は3つの研究部門とは別に、ゲノム機能解析部・分子構造解析部からなる研究支援室を設置しています。ゲノム機能解析部では次世代シーケンサーを始めとした最先端機器を、分子構造解析部では核磁気共鳴装置など各種分析機器を集中管理しており、学内利用者の研究と教育活動の支援、利用講習会の実施、並びに大型機器を学外に開放することによる民間企業の活動支援を行っています。
■地域の中高生のための科学教室
本研究所では、毎年、地域の中学生や高校生を対象に公開講座を実施しています。静岡キャンパスにおいては、中学生~高校生20~30人を対象に「アルマイトの作製と着色」や「ルミノールの合成と発光実験」などの化学実験講座と「遺伝子の世界を見てみよう」と題した遺伝子に関する実験講座を開催しました。
■最先端科学研究の発信
平成28年度から当研究所名にちなんだ「グリーンサイエンスカフェ」を地域住民の方々を対象に開催しています。研究所員が毎回交代で自身の研究内容を披露するもので、身構えることなく聴講できるようにカフェ形式で行っています。最先端の科学研究を当研究所から積極的に発信できるように、今後も継続的に開催していきます。
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