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金沢大学環日本海域環境研究センター

Institute of Nature and Environmental Technology, Kanazawa University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
長尾 誠也
Nagao, Seiya
キーワード
越境汚染、国際共同研究拠点、統合環境研究、有害化学物質、大気観測スーパーサイト、低レベル放射能計測
住所
〒920-1192
石川県金沢市角間町
〒927-0553
石川県鳳珠郡能登町小木ム4-1(臨海実験施設)
〒923-1224
石川県能美市和気町オ24(低レベル放射能実験施設)
東アジアの越境汚染に関する国際共同研究拠点

環日本海域から東アジア全域におけるさまざまな環境問題の解決を目指し、2002年に設立された自然計測応用研究センターを2007年に「環日本海域環境研究センター」へ改組しました。さらに、研究の焦点を環日本海域の環境問題の解決に特化させるため、2015年に2研究部門(研究領域部門と連携部門)と4研究領域(大気環境、海洋環境、陸域環境及び統合環境の4領域)に改組しました。共同利用施設として、能登大気観測スーパーサイト、臨海実験施設、低レベル放射能実験施設、尾小屋地下測定室、植物園を有します。2016年4月には、文部科学省の共同利用・共同研究拠点「越境汚染に伴う環境変動に関する国際共同研究拠点」に認定され、事業を推進しています。

令和元年度の研究活動内容及び成果


日本と中国での大気観測と健康影響調査

令和元年度には大気・海洋における広域の越境汚染の実態把握調査を継続して実施するとともに、大気ー陸域ー海洋ーヒトの健康・生態系への影響評価、それぞれの環境を統合して有害有機物の動態を解析する統合環境研究を実施している。今回は中国の研究機関と共同で進めている大気環境研究の一部を紹介する。
輪島大気測定局における多環芳香族炭化水素類観測
 能登半島輪島市にある金沢大学環日本海域環境研究センターの輪島大気測定局(KU-WAMS)では、2004年からアジア大陸由来の大気汚染物質を継続的に観測している。近年、中国の大気汚染対策により我が国に越境輸送されてくる発がん性物質が年々低減する傾向にあった。図には輪島大気測定局において観測した大気エアロゾル中の多環芳香族炭化水素類の時系列濃度変動を示した。偏西風の卓越時期に捕集したサンプルを分析した結果、2019年11月から2020年1月までの大気中の多環芳香族炭化水素濃度はそれぞれ354 pg/m3であり、2018年度の同時期に比べていずれも有意に減少していた(573 pg/m3)。
中国の2つの都市における健康影響調査
 中国環境科学研究院の魏永杰研究グループとは、2015年から中国住民における大気汚染物質の呼吸疾患へのリスク評価について共同研究を行ってきた。2019年度には、主に北京と保定(大気汚染が最も深刻な地域の一つ)在住オフィス事務職員の個人曝露評価を行った。呼吸器との関連についてデータ解析中であるが、PM2.5の個人曝露濃度に明確な季節、地域差がないものの、夏〜秋と冬の調査結果からは両市のオフィス職員が常に平均濃度35 μg/m3のPM2.5に暴露されていることが明らかとなった。

 

社会との連携


能登半島から発信する研究成果の社会還元

能登半島を中核とした研究フィールドでの成果を国内外に広く発信し、地域社会や国際社会へ国際共同研究拠点が目指す取組みを理解してもらうとともに、地域のステークホルダーとの協働活動体制の構築や地域人材育成を図ることを目的とする公開講座、市民講演会や市民公開講座を開催している。令和元年度には、公開講座「海外学術調査旅ノート」(写真参照)、日本陸水学会第84回大会が金沢大学で開催されるのに伴い、陸水学会と共催で公開講演会「北陸の陸水環境と歴史・人の営み」、さらに市民講演会3件(1件はコロナウイルスのために中止)を実施した。

金沢大学サテライト・プラザで開催した公開講座の様子

金沢大学サテライト・プラザで開催した公開講座の様子

 

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