研究所・研究センター一覧

群馬大学生体調節研究所

Institute for Molecular and Cellular Regulation, Gunma University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
泉 哲郎
Izumi, Tetsuro
キーワード
内分泌・代謝、生活習慣病、細胞生物学、ゲノム・エピゲノム解析
住所
〒371-8512
群馬県前橋市昭和町3-39-15
内分泌・代謝を中心とした生体調節機構とその破綻による
生活習慣病の成因、病態生理の解明

当研究所は、1963年に内分泌研究所として設立され、1994年に生体調節研究所と名称が変更されました。内分泌・代謝を中心に、生体を統合的に調節する系の分子機構と、その破綻によって起こる疾患の成因・病態生理の研究を行っています。主なテーマは、受容体と細胞内シグナル伝達、開口放出・エンドサイトーシスなど細胞内膜輸送、膵β細胞の分泌や分化・再生、生体における代謝制御、糖尿病・肥満症をはじめとする生活習慣病の成因・病態生理、エピゲノム解析、炎症応答やDNA・タンパク質損傷ストレス応答などです。2010年度から内分泌代謝学の共同利用・共同研究拠点に認定されています。

平成29年度の研究活動内容及び成果


受精卵で父親由来のミトコンドリアのみがオートファジーにより消去される仕組みを発見 ―ミトコンドリアDNAはなぜ母方から遺伝するのか―

ミトコンドリアはエネルギー産生の中心的役割を担う細胞内小器官(オルガネラ)で、ヒトを含むほとんどの真核細胞に存在しています。ミトコンドリアは細菌の共生を起源に持ち、核とは別に独自のDNA(ミトコンドリアDNA)を持っています。興味深いことに、性を持つ多くの生物種においてミトコンドリアDNAは母方からのみ遺伝(母性遺伝)することが知られています。以前私たちは精子に由来する父親のミトコンドリアは、受精卵のなかでオートファジー(自食作用)によって選択的に消化されることを世界に先駆けて発見しました。さらに本研究では、 父性ミトコンドリアだけを見分けてオートファジーへと導くために鍵となる二つの分子・IKKE-1とALLO-1を発見し、その働きを解明しました。これにより、永らく謎であったミトコンドリアDNAの母性遺伝の仕組みが明らかになるだけではなく、様々な疾患の原因となる不良ミトコンドリアなどの選択的分解の仕組みの解明にもつながるものと期待されます。

分泌顆粒を細胞辺縁部に集積させてインスリンなどのホルモンを効率よく分泌させる仕組みを発見

膵β細胞では、インスリンが合成され、分泌顆粒と呼ばれる袋に入って蓄えられます。分泌顆粒は、細胞膜付近のアクチン網へまず運ばれ、細胞膜と融合することによって、インスリンを血中に放出します。当研究室が発見した、Exophilinファミリーと呼ばれるたんぱく質群は、ホルモンや神経伝達物質などの分泌をコントロールする役割があることが、これまでの研究により明らかになっていました。私達は、そのうちの1つExophilin-8を失わせたマウスを作製し、その膵β細胞を調べたところ、細胞膜周辺部のアクチン網領域に集まっているはずのインスリン顆粒が失われ、その結果、インスリン分泌が減少し、血糖値が高くなることを発見しました。また、Exophilin-8は、RIM-BP2、Myosin-7aというたんぱく質と結合し、この複合体形成が、インスリン顆粒をアクチン網領域内に留めるために必要であることを見出しました。この発見は、顆粒の細胞内での位置が、効率的にインスリン分泌をするために必要であることを証明した、最初の知見と考えられます。本研究成果は、インスリン分泌機構の一端を明らかにしたもので、今後の糖尿病治療研究における分子標的となる可能性があります。

社会との連携


最先端医学研究の現状と研究の面白さを地元市民、高校生へ紹介

年十数回各90分間程度、一般市民を対象に「まちなかキャンパス:ここでしか聞けない医学・科学の話いろいろ」と題して、最先端の医学研究知見をわかりやすく提供しています。

出前授業と施設見学会

群馬県内高校への出前授業と、高校生を招待して、研究所施設見学や研究者キャリアパスの紹介をしています。

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