東日本大震災という未曾有の災害を経験した東北大学は、学内の英知を結集して被災地の復興・再生に貢献するとともに、国内外の大学・研究機関と協力しながら自然災害科学に関する世界最先端の研究の推進を理念として、災害科学国際研究所を設立しました。
災害科学国際研究所は、東日本大震災の経験と教訓を踏まえた上で、わが国の自然災害対策・災害対応策や国民・社会の自然災害への処し方そのものを刷新し、巨大災害への新たな備えへのパラダイムを作り上げることを通じて、国内外の巨大災害の被害軽減に向けて社会の具体的な問題解決を指向する実践的防災学の礎を築くことを目標としています。
2022年3月5日、IRIDeSは「東日本大震災メモリアルシンポジウム2022―海溝型地震研究の発展と将来への備え―」を、仙台国際センターにて、対面参加・オンライン参加を併用したハイブリッド形式で開催しました。このシンポジウムは、海溝型地震研究の現状および将来の大地震・大津波のリスクについて理解を深めた上で、東日本大震災の教訓を踏まえた各地の取り組みを確認し、地域防災力を高める方法を探ることを目的としています。
シンポジウム前半では、海溝型地震研究の第一人者である高橋浩晃教授(北海道大学)と松澤暢教授(東北大学)を迎え、千島海溝における超巨大地震のリスクおよび2011年東北地方太平洋沖地震の発生要因や周辺域の地震への影響等に関する基調講演が行われ、現時点で、東北北部や北海道地域における臨時情報の有効活用には課題が多いことなども指摘されました。後半では、IRIDeSの研究者らが、災害の予防・応急対応・復旧復興等の視点から地域防災について論じ、総合的な対応やコーディネーションの重要性が話し合われました。当日は対面・オンライン形式を合わせて120名以上の参加があり、IRIDeSが支援する「第3回世界防災フォーラム」が、2023年3月に開催予定であることも発表されました。
実践的防災学を創成するためには、東日本大震災等の被害の全貌解明と教訓の整理、被災地の復興モニタリング、減災への課題整理、予防対策などの状況を踏まえ、それぞれの地域の関係機関した関連学会等と協力しながら研究の実施と成果の社会実装を行います。
国内においては、8市3町との被災地自治体との連携包括協定を締結し、それぞれの地域における復興支援を行っています。気仙沼市ではサテライト(分室)も設置し、情報発信や地域での防災講座、学校の防災教育に協力しています。
海外においては、ハーバード大学、ハワイ大学などとの連携研究活動を活発化し、さらに環太平洋大学協会(APRU)では本学が事務局となり、マルチハザードプログラムを立ち上げ、サマースクールの実施、キャンパス安全の点検、防災研究の連携、国際社会・政策への貢献を行っています。
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