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東北大学多元物質科学研究所

Institute of Multidisciplinary Research for Advanced Materials, Tohoku University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
村松 淳司
Muramatsu,Atsushi
キーワード
多元物質科学、有機・無機ハイブリッド材料、プロセスシステム・デバイス工学、先端計測技術開発、ネットワーク型共同研究拠点
住所
〒980-8577
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1

多元物質科学研究所(略称:多元研)は、70年の歴史を持つ旧3研究所(選研・素材研、科研、非水研・反応研)を融合させ、多元物質科学に関する基礎と応用の先端的研究を推進し、本学4研究科(工学研究科、理学研究科、環境科学研究科、生命科学研究科)と協力し、次世代を担う若者の教育研究活動を行い、世界的視点から思考できる指導的人材を育成し、地域と世界に貢献することを使命としております。さらに、北海道大学電子科学研究所、東京工業大学資源化学研究所、大阪大学産業科学研究所、九州大学先導物質化学研究所と共に、大学の枠を越えた日本を縦断するネットワ-ク「物質・デバイス領域共同研究拠点」(全国共同利用研)を形成し、新しいタイプの共同利用研究所としての活動をしています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


電子顕微鏡用軟X線発光分析システムの開発育成

電子顕微鏡を用いると、物質・デバイス等の局所の構造・組成を明らかにできますが、物質機能を支配する結合電子状態を直接計測する手法がありませんでした。寺内正己教授は、原子力機構、日本電子、島津製作所と共同で、電子顕微鏡技術と新たに開発した軟X線ホログラフィック回折格子を用いた軟X線発光分光技術を融合し、世界で初めて小型で高分解能な電子顕微鏡用軟X線分析システムの商品化に成功しました。本開発により、半導体X線分析装置の100倍、分光結晶を用いたX線分析装置の10倍のエネルギー分解能を達成し、また、結晶分光器の10~100倍の検出効率上を実現しました。微少領域の化学結合状態分析が可能となり、材料開発現場でのオンデマンド分析と材料創製⇔分析のフィードバックサイクルの短縮が期待されます。

Fig12_01

(図)右:EPMAに装着した汎用SXES分光器の外観。左:軟用装置を用いて測定したAl-L発光スペクトル形状の比較。アルミニウムではシャープなフェルミ端と自由電子的な状態密度分布が見え、それに比べるとAlB2ではフェルミ端のケミカルシフト(価数状態の違い)が見えている。スピネル(MgAl2O4)とゼオライト中のAlの結合電子状態が、アルミなどの金属と全く異なることがわかる。システムとしては、このスペクトル強度分布の任意のエネルギー領域を選択し、その強度(結合状態)の空間分布を画像化できるようになっている(結合状態マッピング)。

 

シミュレーションによる粉体プロセスの革新的設計

粉体プロセスの設計や最適化は、その観測が難しく、非常に多くのパラメータが相互に複雑に関与するため、工学モデルの確立が難しく、膨大な時間と費用をかけて試行錯誤的に行われているのが現状でした。加納純也教授は、粉体プロセスの高度なシミュレーション法を開発することにより、粉体混合メカニズムの解明ならびに粉体を製造するプロセスである粉砕過程における粒子径変化の予測に世界で初めて成功しました。本手法に基づいて設計した混合機は、従来よりも約30倍速く粉体を混合することを可能にし,新しい混合機として商品化され、普及しています。本成果は、粉砕、混合、造粒、成形などの粉体プロセスにおいて、粒子径やその形状の変化を予測できるもので、医薬品、顔料、化粧品、鉄鋼など粉体が関与する幅広い産業において、そのプロセスの最適な設計、高効率化、コストの削減に寄与することが期待されています。

Fig12_02

(図)シミュレーションによって新規に設計・製品化した粉体混合機“無限ミキサー”と
従来型のWコーン型ミキサーの混合時間と混合到達度の関係

社会との連携


東北発素材技術先導プロジェクト

東日本大震災からの復興に資することを目的とし,東北大学を拠点として、文部科学省及び復興庁による5年計画の「東北発素材技術先導プロジェクト」が平成24年度からスタートしました.当研究所では,超潤滑ナノ界面最適化技術の開発による燃費の大幅な向上を目指した「超低摩擦技術領域」(代表栗原和枝教授)と都市鉱山からの希少元素の回収・再生技術の高度化による元素循環の実現を目指す「希少元素高効率抽出技術領域」(代表中村崇教授)を担当しています.「都市鉱山」とは,有用金属を多量に含む電気電子機器の廃棄物を指し,この都市鉱山からの物理的な分離・選別技術、希少元素の新規的な抽出・分離技術および反応解析を含む応用技術を研究し、東北の産業復興に資する元素循環の科学と技術の確立を目的としています。

Fig12_03

(図)希少元素高効率抽出技術領域での技術開発課題

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