国威際放射光イノベーション・スマート研究センター(SRIS)は、東北大学青葉山新キャンパス内に建設された3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuを活用し、学術的挑戦性と産業的革新性の融合が誘発する産学共創の世界最高水準の研究開発拠点を形成します。NanoTerasuの戦略的活用により、産官学からなるリサーチコンプレックスを形成し、イノベーション・エコシステムの構築とグローバルリーダー育成等に取り組むことが可能となります。センターのミッションは、1.新学術の創発と未踏研究領域を開拓すること、2.社会連携に基づき、未来価値創造を支援すること、3.海外施設/大学との国際研究ネットワークを構築すること、4.世界トップレベルのグローバルリーダーを育成することです。NanoTerasuを基軸の一つとして、産学連携を強力に推し進めて様々な放射光ユースケースを生み出すことで、新たな計測技術や放射光利用技術の創出へつなげます。
NanoTerasuは令和6年4月に本格稼働を開始いたしました。SRISは地域パートナー側で用意する、コアリション・ビームライン7本の整備に主体的に技術協力しつつ、エンドステーションの設計や高度化、新規計測技術の導入にも積極的に取り組み、多くの成果を上げてまいりました。特に稼働直後の5月には、NanoTerasuが強みを発揮するテンダーX線領域におけるX線タイコグラフィの計測システムと東北大学スーパーコンピュータAOBAとの連携により世界最高の空間分解能を有するナノ構造の可視化に成功しNanoTerasuを用いた初の学術論文として世界に成果を発信しました。さらに世界初の大気圧下軟X線の光電子分光装置によるエネルギー・表面科学分野の研究への寄与や、タンパク質結晶構造解析用エンドステーションの整備が着実に進んだことによる生命科学分野の研究基盤強化などにも寄与しており、SRISはNanoTerasuの多彩な計測技術の開発に基づいて初期運用段階から重要な成果創出に貢献しています。
SRISはNanoTerasuの最先端ビームラインの安定運用と高度化、ならびに計測技術・データ解析技術に関する技術支援体制を整備し、社会実装につながる研究の実効性を高めています。令和6年度においては企業との共同研究の実験時間を含め、3500時間を超えるNanoTerasuのビームタイムを活用し、ナノ構造解析、界面分析、動的観察といった多様な研究テーマを進めて参りました。これらをもとに、化粧品、セラミックス、タイヤなど複数の業界からのユースケースを着実に蓄積しています。こうした実績を踏まえ、SRISは今後も、企業や社会ニーズと学術研究の融合を推進し、NanoTerasuの価値を最大限に引き出すハブ機能をさらに強化し社会との連携を強固にしてまいります。
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