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東京科学大学総合研究院ゼロカーボンエネルギー研究所

Laboratory for Zero-Carbon Energy, Institute of Integrated Research, Institute of Science Tokyo
  • 第1部会

研究所・センターの概要


所長
加藤 之貴
Kato, Yukitaka
キーワード
カーボンニュートラル、グリーン・トランスフォーメーション、原子力エネルギー、安全炉、放射線応用、炭素・物質循環、エネルギー貯蔵、核融合、原子力材料・応用
住所
〒152-8550
東京都目黒区大岡山二丁目12番1号, N1-16
ゼロカーボンエネルギーによるカーボンニュートラル社会の実現

地球環境の下に人類が持続的に生きるためには、人為的な二酸化炭素(CO2)排出の抑止が必要と考えられます。本研究所はゼロカーボンエネルギーを用いたカーボンニュートラル技術の開発を通して、地球と共生しかつ豊かな社会の構築に貢献することを目的にしております。20世紀型の化石資源に過度に依存した社会から、地球環境に親和性のあるカーボンニュートラル型の社会への転換を目指します。化石エネルギー依存を極力減らし、ゼロカーボンエネルギーである再生可能エネルギー、原子力エネルギーなどを活用する研究を行います。原子力については再生可能エネルギー追従型の安全炉、放射線利用、核融合と原子力材料・化学を追求します。あわせて福島復興・再生研究を推進します。炭素は古来より人類と親和性があります。そこで炭素利用を許容しつつ環境にCO2を排出しない、ゼロカーボンエネルギーを用いた炭素循環産業システムの創成を目指します。またエネルギー貯蔵、物質循環システムの研究を進め持続可能な社会への貢献を進めます。

令和6年度の研究活動内容及び成果


炭素循環グリーン産業システムの構築

製造業は日本の基幹であり、炭素エネルギー消費が大きい分野です。産業のカーボンニュートラル化は量的に極めて重要です。本研究所では炭素循環グリーン産業システムを提唱し必要とする技術の創成を進めています。一候補である製鉄向けの炭素循環製鉄システム(iACRES)(図1)を提唱し、ボトルネックとなる二酸化炭素(CO2)の還元、再資源化について研究を進めております。固体酸化物電気分解セル(SOEC)を開発し、さらに大面積化、大容量化を可能とする金属基板支持形SOECの開発、CO2資源化を実証しました。開発技術の活用で炭素循環システムの製鉄のみならず製造業、運輸、民生などへの応用進展が期待できます。

図1 炭素循環製鉄システムiACRESの構成

図1 炭素循環製鉄システムiACRESの構成

社会との連携


グリーン・トランスフォーメーション・イニシアティブ(Science Tokyo GXI)の展開

政府方針である2050年カーボンニュートラル(CN)実現のためにはグリーン・トランスフォーメーション(GX、緑転、CN化に応じた産業及び社会の構造の変化)が必須です。GX社会を先導(Initiation)する研究活動の推進を産業、社会と連携したオープンイノベーションで進めるために本文科省事業Science Tokyo GXIを展開しています(図2)。GXIではエネルギー関連のGX研究のため本学教員と産官学、地域、市民とが連携した研究支援組織を構築し,課題解決の推進・加速を行います。また2025年度からは健康GXをテーマに取り入れ、エネルギーGXと結合した人類の持続可能なWell-beingへの貢献を目指しております。また国際連携ハブ構築を進めMIT、ドイツ航空宇宙センターなど海外研究組織と研究連携を進めております。

図2 Science Tokyo GXIのオープンイノベーションネットワーク

図2 Science Tokyo GXIのオープンイノベーションネットワーク

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