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東京工業大学科学技術創成研究院フロンティア材料研究所

Laboratory for Materials & Structures, Institute of Innovative Research, Tokyo Institute of Technology
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
原 亨和
Hara, Michikazu
キーワード
セラミックス、機能性酸化物、先端材料、建築構造・材料、耐震・制振
住所
〒226-8503
神奈川県横浜市緑区長津田町4259 メールボックス R3-25
従来は考えもつかなかった新材料・構造を開発し、社会に貢献しています

フロンティア材料研究所は、2016年4月に旧応用セラミックス研究所に金属・機械系教員を新たに入れ、改組して発足いたしました。多様な元素から構成される無機材料を中心とし、金属材料・有機材料などの広範な物質・材料系との融合を通じて、革新的物性・機能を有する材料を創製します。多様な物質・材料など異分野の学理を融合することで革新材料に関する新しい学理を探求し、広範で新しい概念の材料を扱える材料科学を確立するとともに、それら材料の社会実装までをカバーすることで種々の社会問題の解決に寄与します。また、先端無機材料共同研究拠点として、無機材料と建築材料・構造という異分野でありながら深く関連している両分野をカバーする特色ある共同利用・共同研究拠点として認定されています。

令和3年度の研究活動内容及び成果


温度変化により断熱と放熱を自発的に制御する材料の開発

日本における一次供給エネルギーのうち約1/3は電力や動力などに利用されていますが、残りの約2/3は廃熱として環境中に排出されています。このため、廃熱エネルギーの削減と有効利用は、深刻化するエネルギー問題を解決する重要な課題です。物質内を流れる熱量は、物質の両端に発生する温度勾配と熱伝導率(熱の流れやすさ)に比例します。そのため、熱伝導率が低い材料は熱を流さない断熱材に、また、熱伝導率の高い材料は熱を流す放熱材として用いられています。一方、そのように一定の熱伝導率を持つのではなく、一つの材料で熱伝導率を変化させられれば、流れる熱量を制御することができ、断熱・放熱の切り替えといった、今までにない高度な熱制御を実現できる可能性があります。例えば、低温から高温にかけて熱伝導率が急激に増加する材料があれば、低温側では断熱し、高温側では逆に放熱する機能を持たせることができますが、これまで熱伝導率が大きく変化する材料の例は極めて少なく、熱伝導制御材料の開発は難易度の高い課題とされてきました。このような背景のもと、当研究所は、結晶構造の次元性が温度変化によって可逆的に変化し、低温で断熱して高温で放熱する熱伝導制御材料を開発しました。このような熱伝導制御材料を温度管理が重要な自動車の触媒やバッテリ等に応用すれば、デバイスの温度が自発的に調整され、効率のよい熱利用が期待できます。

社会との連携


無機材料分野では、一般社団法人 日本ファインセラミックス協会などと協力し、合同講演会、セミナーなどを開催しています。建築・構造分野では、建物の安全(耐震安全性の向上)と居住者の安心(情報の伝達・見える化)を繋ぐ新しい研究領域を開拓し,社会実装を目指しています。2017年度には3大学・14企業でコンソーシアムを設立しました。共同利用・共同研究拠点では、災害等で被災した研究者の支援を行う、2020年の新型コロナ禍では、遠隔講演制度の設置により、関連コミュニティの支援を行っています。

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