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東京大学社会科学研究所

Institute of Social Science, The University of Tokyo
  • 第3部会

研究所・センターの概要


所長
宇野 重規
Uno, Shigeki
キーワード
社会科学の総合知、現代日本社会研究、 全所的プロジェクト研究、社会調査・データアーカイブ、 Social Science Japan Journal 、地域力創発デザイン
住所
〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1
社会科学の総合知を追求

日本と世界が直面する重要なテーマを社会科学的に究明する研究所です。法学・政治学・経済学・社会学など、社会科学の多分野の優れたスタッフが揃う独自の強みを活かし、理論と実証、歴史考察、国際比較などの多様なアプローチにより、所を挙げた全所的プロジェクト研究など、学際的・総合的な研究を展開しています。附属社会調査・データアーカイブ研究センターでは、社会調査データの創出・継続、保存・公開、活用・協働などの研究インフラの整備を通じ、実証的社会科学研究の発展に広く寄与しています。その他にも、社会科学的日本研究に関する国際学術英文雑誌Social Science Japan Journal (SSJJ)の編集刊行や、国内外の日本社会に関する若手研究者の養成などにも注力しています。

令和6年度の研究活動内容及び成果


本研究所は、1965年から「全所的プロジェクト研究」を開始し、現代の世界と日本が直面する重要テーマを、所を挙げて数年にわたり究明しています。2021年度からは「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」に取り組んでいます。「社会を測る」を主要なテーマに、社会科学の方法論を再検討しつつ、社会のありようをどのように測るか、測ることがいかなる社会的価値を創造するかなど、文理融合の観点も踏まえながら、共同研究を進めています。研究は「測ることの社会科学」「COVID-19と社会科学」「法学の方法」「社会科学の哲学」「思想と歴史」の5つのサブプロジェクトから構成され、所外部も含む54名のメンバーが常時参加しています。ワークショップや研究会も頻繁に開催し、多くの査読付論文が刊行されている他、書籍を次々に刊行しています。これらの活動・成果は、日本語・英語の両方で研究所ホームページにて情報発信しています。
https://web.iss.u-tokyo.ac.jp/methodology/
https://web.iss.u-tokyo.ac.jp/methodology/en/

附属社会調査・データアーカイブ研究センターでは、日本最大の社会調査データのアーカイブ(Social Science Japan Data Archive – SSJDA)を1998年から運営し、2024年度には利用申請6,700件以上、提供データセット総数26,000件以上(教育利用も含む)、発表論文・著書数370本以上に及んでいます。SSJDAの提供するデータの一部は、センターウェブサイトで公開しているオンライン集計システムを通じて基本的な分析を行うことも可能です。また多種にわたる社研パネル調査(高卒パネル調査、若年・壮年パネル調査、親子パネル調査)を実施することで良質なデータを創出し、SSJDAより公開しているほか、一連の研究成果をとりまとめた書籍『格差の連鎖と若者』シリーズ(全3巻、勁草書房、2017~21年)、『格差社会のセカンドチャンスを探して: 東大社研パネル調査にみる人生挽回の可能性』(勁草書房、2024年)も刊行しています。SSJDAのデータを用いた二次分析研究会の開催、二次分析による優秀論文執筆者と優れた調査データ寄託者・寄託機関の表彰、計量分析セミナーの開催もしています。その他、ICPSR(Inter-university Consortium for Political and Social Research)国内利用協議会ハブ機関としての活動や、東アジアの各国データアーカイブとの交流などの国際展開も進めており、特に中国、台湾、韓国のデータアーカイブとは毎年会議を行っています。2023年度から人文学・社会科学データインフラ強化事業の中核機関に認定され、活動を開始しています。
https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/

「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」の研究成果として刊行した書籍

「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」の研究成果として刊行した書籍

 

 

 

 

 

 

「社会科学のメソドロジー:事象や価値をどのように測るか」の研究成果として刊行した書籍

社会との連携


研究所では、2005年度に全所的プロジェクト研究「希望の社会科学(希望学)」を実施して以来、岩手県釜石市などにおける地域総合調査などを続けてきました。研究成果は『希望学』(全4巻、東京大学出版会、2009年)に含まれる他、東日本大震災以後も釜石市と緊密な連携を保ちながら調査を実施し、成果の一端を『〈持ち場〉の希望学:釜石と震災、もう一つの記憶』(東京大学出版会、2014年)として発表しました。2016年度から2021年度にかけて、全所的プロジェクト研究「危機対応の社会科学」でも釜石市で地域調査を実施し、結果は『地域の危機・釜石の対応:多層化する構造』(東京大学出版会、2020年)にまとめました。また、2022年度からは生産技術研究所、大気海洋研究所、先端科学技術研究センターと共に「海と希望の学園祭 in Kamaishi」を開催し、市民との対話の場を設けています。

「海と希望の学園祭 in Kamaishi」での企画「教えてください!あなたの『測ってみたい』と思うもの 『測ってはいけない』と思うもの」

「海と希望の学園祭 in Kamaishi」での企画「教えてください!あなたの『測ってみたい』と思うもの 『測ってはいけない』と思うもの」

 

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