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東京大学物性研究所

Institute for Solid State Physics, The University of Tokyo
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
瀧川 仁
Takigawa, Masashi
キーワード
物性科学、新物質、ナノサイエンス、量子ビーム、強磁場、光科学、計算物質科学
住所
〒277-8581
千葉県柏市柏の葉5-1-5

物性科学は、色々な物質が示す多彩な性質(物性)を、そのミクロな構成要素である原子や電子が従う物理法則に拠って解明する学問として発展してきました。現在ではその知識をもとに、新しい化合物やナノスケールの人工物質に対して新しい性質や機能を見出す研究が進み、物理学、化学、材料工学の境界を超える学問として、現代文明を支えるエレクトロニクスや情報技術の基礎となっています。物性研究所は、我が国の物性科学の研究推進のために、全国の物性研究者の要望を受けて1957年に東京大学附置の全国共同利用研究所として設立されました。2000年からは柏キャンパスで活動を行なっています。また、2010年からは共同利用・共同研究拠点としての活動を展開しています。

平成28年度の研究活動内容及び成果


電子顕微鏡は原子レベルの微細構造の観測に威力を発揮しますが、場合によっては試料を壊してしまう欠点があります。一方、光学顕微鏡は物質のさまざまな性質を可視化することができますが、ナノメートルといった微小な領域を見ることはできません。物性研究所では新たに「光電子顕微鏡」という「光」(深紫外レーザー光)と「電子」の特徴を併せ持つ顕微鏡を開発し、2.6ナノメートルという世界最高の空間分解能を実現しました。そして、これを用いてチタン酸ストロンチウムという半導体の表面を観察し、室温以上でも磁石の性質があらわれる(強磁性状態が実現している)ことを発見しました。また、図に示したように、右円偏光または左円偏光のレーザー光を試料に照射し、飛び出してくる電子を計測することにより、表面上で磁石のN極あるいはS極がどのように分布しているのかも明らかにしました。半導体表面に存在するわずかな伝導電子がなぜ強磁性を示すのか、今後の研究の進展が期待されます。

図左)東京大学物性研究所で開発した超高感度・高分解能レーザー光電子顕微鏡。 (図右)チタン酸ストロンチウムの表面磁気イメージング。試料表面にはN極とS極が分布している。N極では右円偏光レーザーを照射したときに電子が飛び出しやすく、S極では左円偏光レーザーを照射したときに電子が飛び出しやすい。この性質を利用して、試料表面上の磁化分布をマッピングすることができる。

図左)東京大学物性研究所で開発した超高感度・高分解能レーザー光電子顕微鏡。
(図右)チタン酸ストロンチウムの表面磁気イメージング。試料表面にはN極とS極が分布している。N極では右円偏光レーザーを照射したときに電子が飛び出しやすく、S極では左円偏光レーザーを照射したときに電子が飛び出しやすい。この性質を利用して、試料表面上の磁化分布をマッピングすることができる。

社会との連携


毎年秋に開催する一般公開や、市民講演会を通じて物性科学の知の普及に努めるほか、中高生の施設見学などを積極的に受け入れています。

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