研究所・研究センター一覧

東京大学地震研究所

Earthquake Research Institute, The University of Tokyo
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
佐竹 健治
Satake, Kenji
キーワード
地震、火山噴火、津波、地球内部構造、計算地球科学、自然災害、観測固体地球科学
住所
〒113-0032
東京都文京区弥生1-1-1

地震研究所は、1925年に設立されて以来、地震・火山現象の科学的解明とそれらに起因する災害軽減の研究を使命としてきました。プレートの沈み込み帯に位置する日本では、地震・火山活動が世界的に見ても非常に活発です。我々の使命を果たすためには、地震・火山の根源としての地球内部ダイナミクスまで包括的に理解することが必要であり、固体地球科学分野における諸課題に対して観測・実験・理論的アプローチを総合した多面的かつ先端的研究を推進しています。国内では、全国規模の「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」等の様々な研究プロジェクトを企画立案し、多数の大学や研究機関と共同研究を行なっています。また、国際地震・火山研究推進室を中心として、外国人研究者の招聘や国際共同研究も積極的に進めています。

令和2年度の研究活動内容及び成果


光ファイバー計測技術による海底ケーブルを用いた海底高密度地震観測

光ファイバーセンシングの一つに、振動を計測する分散型音響センシング(Distributed Acoustic Sensing、以下DASと記載)があります。近年、様々な分野で応用されており、地震観測 にも適用され始めています。DASでは、光ファイバー末端からレーザー光のパルスを送出して光ファイバー内に含まれる不均質部分からの後方散乱光を計測します(DAS計測)。地震などの振動により光ファイバーに力が働くと、その散乱光は変化します。つまりDAS計測により振動を検出することで地震観測が可能になります。しかも光ファイバーに沿って時空間的に密な観測を行えることが大きな利点です。地震研究所が1996年から設置している「三陸沖光ケーブル式海底地震・津波 観測システム」(図1)には、海底観測データの伝送路である海底ケーブルに予備の光ファイバーがあります。この予備光ファイバーにDAS計測を適用するだけで、高密度な海底地震観測が可能になります。そこで、DAS計測を海底ケーブルに適用するシステムを開発し、2019年以降に複数回の計測を実施しました。計測期間は数日~2週間ほどですが、観測点間隔が数メートルという高密度で地震観測を最長70 kmにわたり連続的に実施できました。これらの観測ではマグニチュード1クラスの微小地震を含めて、観測システム近傍で発生した小さな地震や深発地震など多数の地震動を記録することができました(図2)。また、データのノイズレベルを調べたところ、通常の地震観測と同程度であることもわかりました。DAS計測による新たな海底地震観測は、これまで「点」であった観測を「線」での観測に変化させる可能性を持っています。

図1)三陸沖光ケーブル式海底地震・津波観測システム(黒線)の設置位置。ケーブルに接続されている地震計と津波計によって1996年から観測を行っている。

図1)三陸沖光ケーブル式海底地震・津波観測システム(黒線)の設置位置。ケーブルに接続されている地震計と津波計によって1996年から観測を行っている。

図2)三陸沖光ケーブル観測システムにおけるDAS計測により収録された地震記録例。横軸は陸上局からの距離、縦軸は時間。

図2)三陸沖光ケーブル観測システムにおけるDAS計測により収録された地震記録例。横軸は陸上局からの距離、縦軸は時間。

 

社会との連携


広報アウトリーチ室を中心とした研究成果の社会還元への取組

地震研究所の研究活動や教育活動に関する情報を、ホームページ・パンフレット・広報誌等を通じて紹介しています。広報誌(図1)等はホームページからもダウンロードできます。重要な調査観測や研究成果については、ホームページに掲載するほか、プレスリリースを行うなど一般の方へ広く伝わるよう情報発信をしています。また、地震・火山に関する研究を理解してもらうための動画を作成してYouTubeで公開しています(図2)。地震・火山に関する取材や一般からの問合せへの対応も広報アウトリーチ室で行っています。地震・火山防災の担当者や報道関係者に、地震・火山に関する研究の動向等を紹介するとともに、関係者との意思疎通の促進を図るため、懇談会を開催しています。さらに、令和2年より地震・火山噴火予知研究協議会と協力して、「地震・火山噴火予測研究のサイエンスカフェ」を開催しています。
地震・火山に関する研究の最先端やその魅力を伝えるため、公開講義や一般公開、施設見学会などを開催しています。また、自治体や教育機関等からの講演依頼、地震研究所の見学 ・ 講演依頼等についても状況に応じて適宜対応しています。国内外の学会においてブースを出展し、地震研究所の研究について国内外の研究者・学生に紹介しています。令和2年度は、新型コロナ感染拡大に配慮して、全てをオンラインでの対応としました。施設見学は360度カメラを用いた映像「バーチャル地震研」(図3)によりオンラインでの所内見学ができます。

図1)地震研究所の多様な研究成果をわかりやすく伝える広報誌「ニュースレタープラス」を刊行。ニュースレタープラスは英文ダイジェスト版も作成しています。

図1)地震研究所の多様な研究成果をわかりやすく伝える広報誌「ニュースレタープラス」を刊行。ニュースレタープラスは英文ダイジェスト版も作成しています。

図2)地震観測・研究を紹介する動画を作成し、YouTube地震研究所チャンネルで公開をしています。

図2)地震観測・研究を紹介する動画を作成し、YouTube地震研究所チャンネルで公開をしています。

図3)令和2年度は東京大学のオープンキャンパスのオンライン開催に併せて、「バーチャル地震研」をオープン。オンラインで所内の見学ができます。

図3)令和2年度は東京大学のオープンキャンパスのオンライン開催に併せて、「バーチャル地震研」をオープン。オンラインで所内の見学ができます。

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