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東京大学先端科学技術研究センター

Research Center for Advanced Science and Technology, The University of Tokyo
  • 第1部会

研究所・センターの概要


所長
杉山 正和
Sugiyama, Masakazu
キーワード
材料、情報、環境・エネルギー、生物医化学、バリアフリー、社会科学
住所
〒153-8904
東京都目黒区駒場4-6-1
地球上のすべての人々が協調して自然と共生するための科学技術を目指して

東京大学先端科学技術研究センター(略称:先端研)は、1987年の設立以来、学術の発展と社会の変化から生じる新たな課題へ挑戦し続け、新領域を開拓することによって科学技術の発展に貢献することを使命としています。材料、環境・エネルギー、情報、生物医化学、バリアフリー、社会科学の6つのカテゴリーのもと、50にのぼる研究室が文・理の垣根を越えた領域横断の研究活動を行っています。2020年には「先端アートデザイン分野」を創設し、論理のみならず感性を軸に異分野融合を進め、自然と共生するための多様な解を導く新たな科学技術の姿を探求。第一線のデザイナーや音楽家などと共に、科学技術とアートの協奏を進めています。学際融合研究の成果を社会実装すべく国内外の自治体と連携協定を結び、地域固有の課題と先端研のシーズをつなぐことでSDGsの達成に資する多様な取り組みの展開や、障害を持つ人たちも含めて皆が主役となって働くことができる新たな社会像の構築を進めています。東大の附置研究所としては唯一、博士後期課程(工学系研究科先端学際工学専攻)を設置し、間口の広い独自の入試とカリキュラムで、イノベーションを生み出す力を持った人材育成にも取り組んでいます。

令和3年度の研究活動内容及び成果


最近の研究成果
  • 動物行動学と光遺伝学の技術を用いて、昆虫のはばたき飛行を引き起こす細胞を特定。昆虫の飛行を司令する神経経路を明らかにした。
  • 理論化学的手法と生化学的手法を用いて、光によって神経抑制が可能なタンパク質(アニオンチャネルロドプシン:ACR)の反応メカニズムを解明した。光によって神経活動を自在に制御する技術である「光遺伝学」のツールの開発に大きく貢献することが期待される。
  • 体の中の脂肪細胞になる以前の前駆脂肪細胞が、脂肪細胞に活性化する際の細胞状態を決めるエピゲノムの仕組みを解明した。タンパク質複合体が、脂肪を蓄える遺伝子の働きを調節していることを初めて明らかにした。
  • 歩行者中心の街路に立地する小売店や飲食店の売り上げは、非歩行者空間に立地するそれらよりも高いことをビッグデータを用いて定量的に示した。街路を車道から歩行者や自転車中心の道路への転換が、レストランやカフェといった飲食店の売り上げにポジティブな影響を与えることを明らかにした。
  • 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)由来のウイルスRNAを「1分子」レベルで識別して5分以内に検出する革新的技術の開発に成功した。
  • 日本を含むアジア域の気象に大きな影響を与えるアジアモンスーンの変動について、最新の季節予測モデルを用いて1年先の夏季アジアモンスーンの予測に初めて成功した。
研究拠点活動

2020年度からJST 「共創の場形成支援プログラム」本格型(共創分野)「地域気象データと先端学術による戦略的社会共創拠点(ClimCORE)」の主体機関として活動しています。気象庁との連携の下、最新の気象モデル技術と衛星・レーダー等の観測技術を融合した再解析を実施し、周辺海域を含む日本域の大気状態を過去から時空間4次元で再現する地域気象データを、社会設計の基盤データとして構築。これらの気象データを気候変動・異常気象対策、安全・安心な社会づくりに生かすため、戦略的に応用できるよう、産学官公連携により有機的な共創プラットフォームを構築します。

社会との連携


現場と密につながる地域連携プロジェクト:持続的な地域課題解決への挑戦

地域産業活性化、震災復興、コミュニティー再生、知識・経験・能力を活かした研究交流や人材育成から新しい働き方などの様々な地域課題の解決策を、地方自治体や地域および地方大学・研究機関・民間企業等と取り組んでいます。共創のネットワークは現在国内外の22の自治体に広がっており、現場と密につながる地域連携プロジェクトが進んでいます。

教育アウトリーチ活動

2021年4月に「先端教育アウトリーチラボ(AEO)」を開設しました。探究学習やSTEAM教育等における大学リソースへのニーズに対し、先端研の強みを生かした文理融合・分野横断的な教育プログラムを教育現場等と共創しながら提供することで、初等中等教育における、最適な形で次世代育成を支援していきます。

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Links

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