難治疾患研究所は、1973(昭和48)年に設置された“難治疾患”という名称を掲げる唯一の国立大学法人附置研究所です。本研究所では、難治疾患を「病因・病態が明らかにされていないために未だ有効な診断法、治療法、予防法が確立されていない疾患」と定義し、その克服のため基礎から応用まで幅広い研究活動を展開しています。時代の要請に応じられるように新しい研究技術と生物学的知見を取り入れ、基礎医学領域の最前線で活躍をしてまいりました。
2022年4月には研究所内の組織再編を行い、新たに「未来生命科学研究部門」「病態制御科学研究部門」「バイオデータ科学研究部門」の3つの部門で、本学の指定国立大学法人化に伴い掲げられた4つの重点研究領域(「創生医学研究」「難治疾患研究」「口腔科学研究」「データサイエンス」)の推進に貢献し、難治疾患研究のHub Instituteを目指しています。
ペルオキシソームは脂質代謝や過酸化物の解毒を担う重要な細胞内小器官であり、その数や機能が低下するとZellweger症候群に代表される様々なペルオキシソーム病が引き起こされる。
東京科学大学(Science Tokyo)総合研究院 難治疾患研究所 機能分子病態学分野の小谷野史香助教と松田憲之教授の研究チームは、徳島大学、九州大学、東京都医学総合研究所との共同研究により、p97/VCPの補因子として機能するFAF2を欠損すると、ペルオキシソームの数が有意に減少することを見出した。その分子機構の解析を進めた結果、FAF2を欠損するとユビキチン修飾された膜蛋白質がペルオキシソームに蓄積することで、オートファジーを介したペルオキシソームの選択的分解(ペキソファジー)が誘導されていた。すなわちp97/VCP-FAF2複合体は、ペルオキシソームからユビキチン修飾された膜蛋白質を引き抜くことで、ペルオキシソーム分解を恒常的に抑制することを発見した。本成果は、ペルオキシソーム病の発症を抑える新しい治療法の開発に役立つことが期待される。
【論文情報】
掲載誌:Nature communications
論文タイトル:AAA+ ATPase chaperone p97/VCPFAF2 governs basal pexophagy
一橋大学、東京外国語大学と共演で「環境・社会・人間」に関する学際的な講演会を毎年、開催しています。
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