東京医科歯科大学生体材料工学研究所は、医療系総合大学の中に設置された理工学系の研究所であり、医学・歯学系の研究者や病院と密接に連携しながら、生体機能の修復・解析に資する生体材料や生体工学の研究・教育を行っています。当研究所は昭和26年(1951年)に歯科材料研究所として本学に設置されて以来、研究陣、研究設備の充実、改称、建屋の新築などを経て現在に至っており、医学、歯学、工学の融合分野において70年の歴史と伝統があります。医歯工連携というユニークな特徴を持ち、医療における「ものづくり」を支える先導的な研究所として、生体材料、生体システム、生体機能分子などの分野で世界をリードする研究を行い、多くの製品を世に送り出してきました。教育面では、本学の理念である「医歯工連携」の「工」の分野を担い、高度な先端医療や最先端研究を先導する人材の教育と育成を行っております。
生体材料工学研究所が中核機関となって推進している文部科学省共同利用・共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」において、令和3年度は266件の共同研究の応募があり、そのうち259件の研究課題が採択され、共同研究として実施いたしました。令和3年度は、12月に国際シンポジウムを、3月に拠点成果報告会を、いずれもオンラインにて開催し、多くの共同研究者間で交流を図ることができました。また、webでの情報発信として東京都と連携したweb講演会(2回)を開催したり、「Biomedical Engineering」に関する英文書籍を出版するなど、コロナ後の拠点の活動に向けての試みを行いました。
また、他のネットワーク型共同利用・共同研究拠点との連携として、物質・デバイス領域共同研究拠点及び放射線災害・医科学研究拠点との緩やかな連携に関する協定(平成30年度締結)に基づいた活動も進めており、今後さらに相互交流を進め、三拠点間の連携を深めていきます。
わが国では高齢化に伴い、今後の医療、介護のあり方が社会的課題となっており、「ライフイノベーションの推進」が、我が国の将来にわたる成長と社会発展を実現するための主要な柱として位置づけられています。生体材料工学研究所では他大学との共同研究を通して、幅広い材料及びデバイス・システム、機能分子開発を生命科学や医療に応用する取り組みを推進しています。材料分野では、名古屋大学未来材料・システム研究所、東北大学金属材料研究所、東京工業大学フロンティア材料研究所、大阪大学接合科学研究所、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構とともに、文科省「学際・国際的高度人材育成ライフイノベーションマテリアル創製共同研究プロジェクト」を推進しています。また、デバイス・システム分野では、文部科学省共同利用・共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」の中核機関として、東京工業大学未来産業技術研究所、広島大学ナノデバイス研究所、静岡大学電子工学研究所とネットワークを形成して、高水準工学技術に立脚した高度医療の実用化を目指した共同研究を推進しています。さらに、創薬化学分野ではAMED創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業(BINDS)等のプロジェクトを通して、画期的創薬を目指す研究者を幅広く支援する活動に取り組んでいます。このように他大学との連携・共同研究を通して、生体材料研究所だけでは研究対象としていない材料、デバイス・システム、創薬技術を生命科学や医療の分野に応用し、実用化の機会を増やして持続的に産業化や社会に貢献することを目指しています。
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