研究所・研究センター一覧

徳島大学先端酵素学研究所

Institute of Advanced Medical Sciences, Tokushima University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
松久 宗英
Matsuhisa,Munehide
キーワード
医科学、先端酵素学、糖尿病、がん、免疫疾患、慢性炎症、ゲノム、 プロテオーム、ゲノム編集、創薬イノベーション
住所
〒770-8503
徳島県徳島市蔵本町3-18-15

本研究所は、2016年度に疾患酵素学研究センター・疾患プロテオゲノム研究センター・藤井節郎記念医科学センター・糖尿病臨床・研究開発センターを発展的に統合し、発足しました。2020年度には、酵素学研究拠点としての先導的成果を基盤に病態解明と医療応用を目指す「基幹研究部門」、糖尿病・がん・免疫疾患等を“慢性炎症”という共通基盤病態で捉え新たな学術領域の創出と牽引を目指す「重点研究部門」、個々の研究活動と拠点形成を強力にサポートする「技術開発支援部門」の3部門に編成し、次世代人材育成と健康長寿社会の実現を目指す最先端の医科学研究を展開しています。2022年度からは、九州大学、東京医科歯科大学、熊本大学との4拠点ネットワークによる「高深度オミクス医学研究拠点整備事業」を進め、また「バイオインフォマティクス研究分野」を新設しデータ駆動型サイエンスを推進します。

令和4年度の研究活動内容及び成果


出生後T細胞の産生における胸腺上皮細胞のβ-cateninの役割

胸腺上皮細胞は機能的なT細胞産生に不可欠な胸腺微小環境を構築します。これまで、出生後のT細胞産生に対する胸腺上皮細胞でのWnt/β-cateninシグナル制御の役割は不明でした。今回私たちは、β-catenin機能亢進および機能喪失マウスを用いた研究から、出生後のT細胞産生を支える最適な微小環境を作り出すためには、胸腺上皮細胞でのβ-catenin依存性経路の精緻な制御が必要であることを明らかにしました。

β細胞でのインスリン合成を向上させる新規低分子化合物の同定

β細胞は、血糖降下作用をもつインスリンを合成して分泌し、その機能低下は糖尿病を引き起こします。膵β細胞の機能維持に重要な小胞体でのタンパク質恒常性を担うunfolded protein responseを指標とした低分子化合物スクリーニングを行いました。その結果、膵β細胞での小胞体タンパク質恒常性とインスリン合成を改善させる新規の低分子化合物を同定し、その作用メカニズムの一端を明らかにしました。

図 膵β細胞でのインスリン合成を向上させる新規低分子化合物の同定

図 膵β細胞でのインスリン合成を向上させる新規低分子化合物の同定

社会との連携


研究成果の公表・還元活動

研究活動を通じて蓄積された膨大なデータを地域医療に役立てるため、徳島県が克服すべき最重要課題である糖尿病や社会的解決要請の大きいがん・免疫疾患に関する研究について、一般市民や若手研究者に向けセミナーや公開講座を開催するなど、人材育成・普及啓発に貢献しています。特に、毎年2日間にわたり開催する「高校生向け遺伝子組換え実験講習会」は参加申し込みが殺到する好評企画です。

戦略的な産学連携活動

研究所では実用化が見込める研究に対して集中的支援を行うため、「リエゾンオフィス」を配置しています。藤井節郎記念医科学センター内には、基盤機器・消耗品利用システムを完備した「オープンラボ」を設置し、ベンチャー企業や若手研究者がいつでも研究を開始できるように充実させています。また全分野が産学連携の共同研究を展開しており、その成果として研究所関連大学発ベンチャー企業が4社となり、精力的な活動を続けています。

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