研究所・研究センター一覧

弘前大学被ばく医療総合研究所

Institute of Radiation Emergency Medicine, Hirosaki University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
床次 眞司
Tokonami, Shinji
キーワード
放射線(能)計測、物理線量評価、生物学的線量評価、放射線生物学、バイオアッセイ、環境放射生態学、 環境動態、分析化学、人材育成、被ばく医療体制
住所
〒036-8564
青森県弘前市本町66-1
放射線被ばく医療に資する基礎研究の推進・専門的人材の育成

被ばく医療総合研究所では、放射線被ばく医療に関する基礎的研究や人材育成の実施、さらに、海外の大学や研究機関と部局間協定を締結し、国際共同研究も進めています。そして、2019年度からは「放射能環境動態・影響評価ネットワーク共同研究拠点」として、放射性物質の環境動態・生物影響研究の国際的な中核拠点の形成を目指して活動しています。
また、福島原発事故への対応を受けて、国の原子力災害時及び平常時における被ばく医療体制が大きく見直され、弘前大学は原子力規制委員会から原子力災害に対応するナショナルセンターに指定されました。その中で本研究所は、平時及び緊急時における高度被ばく医療に関する支援業務の一翼を担っています。
被ばく医療総合研究所は、令和2年4月から5部門に再編しました。今後も放射線科学研究を推進しつつ被ばく医療体制を充実させるため、国内外のさらなるネットワークの拡大を図りながら国際的な教育研究を推進していきます。

令和元年度の研究活動内容及び成果


1.フィリピン科学技術省論文賞を受賞

内部被ばく線量評価に資する研究として、フィリピン原子力研究所内に小型のトロン曝露装置を設置するとともに、放射性微粒子の呼吸気道内への沈着計算ツールを開発しました。この研究によって、フィリピン国内でも放射性ガスモニタの較正を行うことを可能とし、放射線事故による迅速な被ばく線量評価を可能としました。さらに、外部被ばく線量評価に資する研究として、放射線量走行サーベイを実施し、高自然放射線地帯の発見に貢献しました。この内容が掲載された4つの論文が、2019 DOST International Publication Award(フィリピン科学技術省論文賞)を受賞しました。

 

2.研究成果がScientific Reports誌に掲載

放射線誘発バイスタンダー効果が、細胞が分泌するエクソソームと呼ばれる細胞外小胞中のミトコンドリアDNAにより引き起こされることをScientific Reports誌に発表しました。

 

3.蔵王の樹氷(アイスモンスター)に関する新知見

山形大学学術研究院教授らとの研究グループは、山形気象台で見つかった蔵王山測候所の気象観測記録(S18-22)の解析結果などから、昭和10年以降に見られる樹氷の衰退要因は温暖化に伴う蔵王山頂の気温上昇であると判断しました。また、樹氷の化学分析や同位体分析(宇宙線生成核種Be-7や水素・酸素安定同位体比)の結果などから、樹氷を形成する水は日本海から供給される水蒸気だけではなく、東シナ海や太平洋からの水蒸気も含まれること、大気汚染物質濃度が年々減少傾向にあることなどを明らかにしました。

 

社会との連携


浪江町復興支援活動

2011年9月に福島県浪江町と連携協定を締結し、その後、学部横断組織として浪江町復興支援プロジェクトを発足させ、本研究所を中心に浪江町の復興支援活動を継続して展開しています。2013年には現地の拠点として「弘前大学浪江町復興支援室」を設置し、町との連携を強化しました。

主な活動内容は以下のとおりです。

  • 初期被ばく検査(染色体検査)解析
  • 環境放射線モニタリング支援
  • 汚染地域における放射性核種の動態調査
  • 淡水性二枚貝に保存された事故直後における河川水中放射性核種の変動の調査
  • 野生動物中の放射性物質の環境影響評価
  • 浪江町の生活圏に生息する哺乳動物の汚染調査ならびに線量評価

加えて、環境省の委託事業である「放射線健康管理・健康不安対策事業(福島県内における放射線に係る健康影響等に関するリスクコミュニケーション事業)」や「学術研究活動支援事業(大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業)」も実施しており、これらの活動成果を積極的に情報発信し、社会に還元することとしております。

 

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