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広島大学原爆放射線医科学研究所

Research Institute for Radiation Biology and Medicine, Hiroshima University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
松浦 伸也
Matsuura, Shinya
キーワード
原爆被爆者、放射線障害、被ばく医療、放射線、ゲノム科学、ゲノム損傷、DNA損傷応答、再生医学
住所
〒734-8553
広島県広島市南区霞1-2-3
放射線障害の国際研究拠点:基礎研究から臨床展開まで

本研究所は、原爆や放射線が人体に及ぼす影響の解明と、放射線が引き起こす疾病の予防法や治療法の開発を目的として、1961年に設置されました。放射線が引き起こすゲノム損傷が原因となり、急性の障害と、がんや白血病など晩発性の障害が発症します。本研究所では、放射線がゲノムDNAを損傷するメカニズムの解明、ゲノム損傷が発がんにつながる分子機序の解明、がんの新しい治療法の開発と臨床展開、急性放射線障害に対する再生医学的治療法の研究などを行っています。また、原爆被爆者データベースを整備して、ゲノム障害情報の解析に基づく疫学的研究を進め、個々人の低線量放射線影響を的確に把握できるリスク評価法の確立を目指すなど、「放射線障害の研究と治療の世界的拠点」として活動しています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


先端技術で低線量放射線の生物影響を解明する

福島原発事故により、低線量放射線の健康影響に対する国民の不安が根強いことが浮き彫りになりました。放射線はどんなに少量でも健康に害があるのでしょうか?この困難な問いかけに対する回答は、低線量放射線による細胞の小さな損傷や、生物の反応を知ることなしにはできません。しかし、わずかな放射線で引き起こされる損傷や反応を分析することはなかなか困難でした。

最新の計測技術は、10年前には夢物語だった研究を可能にしました。次世代シーケンサは、細胞のわずかな変化を見逃しません。全自動画像解析装置を使えば、人力では何人もの研究者が何晩も徹夜しないとできない分析を、軽々とやってのけます。一方で、精密な測定機器は、わずかな実験条件の違いで生じる「ノイズ」も拾ってしまいます。原医研は精密な実験ノウハウを先端的研究手法と組み合わせ、低線量放射線を受けた細胞の損傷に迫ります。

福島第一原発周辺などでは、放射線の持続的な被曝による健康影響の有無が、地域の方々の強い関心を呼び起こしています。このため本研究所では、特に低線量率放射線の持続被曝による細胞の応答や損傷の解析に力点を置いた研究を進めています。先行研究の結果、持続被曝では、放射線の一回の被曝による細胞の損傷とはずいぶん違っているようです。私たちは分子・細胞・臓器・動物個体レベルの4つの研究の柱を設定し、鋭意研究を進めています。

放射線研究に使用する照射装置

放射線研究に使用する照射装置

 

社会との連携


原子力災害復興支援研究センターを中心に福島復興を支援

福島原発事故により、低線量放射線による健康影響が懸念されており、福島県立医科大学(福島医大)を中心に、長期の県民健康調査や健康管理プログラムが実施されています。本研究所は、福島医大と連携して、福島県民に対する支援を行っています。

平成24年度に設置された原子力災害復興支援研究センターは、本研究所が共同利用・共同研究拠点であることを生かし、全国の放射線影響・医科学領域の研究者が共同研究を通じて、福島に対する支援をおこなう場です。24-26年度の3か年に50課題の福島原発事故対応緊急プロジェクト研究課題を共同研究として展開しており、全国の放射線影響研究者が福島復興を支援しています。

また、平成28年度からは長崎大学原爆後障害医療研究所及び福島県立医科大学ふくしま国際医療科学センターと共にネットワーク型共同利用・共同研究拠点「放射線災害・医科学研究拠点」を形成するとともに、「原子力災害復興支援研究センター」に替えて「低線量放射線リスク研究センター」を設置し、放射線災害・医科学研究の学術基盤の確立を目指します。

 

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