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広島大学ナノデバイス研究所

Research Institute for Nanodevices, Hiroshima University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
寺本 章伸
Teramoto, Akinobu
キーワード
半導体、ナノ集積科学、集積システム科学、分子生命情報科学、集積医科学
住所
〒739-8527
広島県東広島市鏡山1-4-2
産業界や海外の大学と連携した学生・研究員の交流

本研究所は1986年に設立された「集積化システム研究センター」を前身として、1996年に設立された「ナノデバイス・システム研究センター」を2008年に改組して創設され、2022年度から「ナノデバイス研究所」と改称しました。2016年に東京医科歯科大学生体材料工学研究所、東京工業大学未来産業技術研究所、静岡大学電子工学研究所とともにネットワーク型の共同利用・共同研究拠点「生体医歯工学共同研究拠点」として、文部科学大臣認定されました。本研究所ではスーパークリーンルームを活用する半導体微細加工技術や回路システムを研究する半導体ナノエレクトロニクスとバイオテクノロジーやメディカルサイエンスを研究する分子生命情報科学と集積医科学を融合した研究を推進しています。社会に貢献する新しい技術の研究開発と時代の要求に応える人材を育成するために、国内外の大学や企業と共同研究を推進しています。

令和3年度の研究活動内容及び成果


半導体集積回路技術をバイオメディカル・技術開発に展開した新しい技術研究
  • 半導体集積回路を基盤とするマイクロ波インパルスレーダー方式による非侵襲ポータブル乳癌早期検出システムを世界で初めて開発しました(図1)。それを用いて、臨床試験を広島大学病院、東京医科歯科大学附属病院で実施しました。その結果、広島大学病院、東京医科歯科大学附属病院におけるパイロット臨床試験で感度100%を達成しました。
  • 大腸拡大内視鏡画像データをもとに、AIを用いて病変の進行度を定量化し、医師の診断をサポートするシステムを開発しています。内視鏡画像の広島大学所見分類に対して、病理組織学診断結果と約90%以上、内視鏡専門医師の診断結果と約90%以上の一致を達成しましたFPGA上にシステムを実装し、FHD(1920×1080画素)画像のリアルタイム(30fps)での16領域同時認識を実現しました(図2)。
  • 医療で使われるBNCTホウ素中性子捕捉療法のリアルタイムモニタリングを行う為に、ワイドバンドギャップであるSiCの特性を活かし、その集積回路の研究を行っています(図3)。

図1 ポータブル乳癌早期検出システムとその観察結果のイメージ図

図1 ポータブル乳癌早期検出システムとその観察結果のイメージ図

図2 大腸がん診断支援のためのNICE/JNET所見分類に基づく画像解析システム

図2 大腸がん診断支援のためのNICE/JNET所見分類に基づく画像解析システム

図3 BNCTホウ素中性子捕捉療法とそのためのリアルタイム中性子2次元センサ

図3 BNCTホウ素中性子捕捉療法とそのためのリアルタイム中性子2次元センサ

社会との連携


産業界や海外の大学と連携した学生・研究員の交流

ナノデバイス研究所は我が国の産業界からの研究員を受け入れてスーパークリーンルームを活用した半導体微細加工技術の共同研究を推進するとともに、米国、欧州、アジアの大学との部局間交流協定により、半導体技術、集積回路、無線通信、バイオテクノロジー、メディカルサイエンスの分野で学生の留学や研究員および教員の滞在を通し、連携して先進技術の融合研究を推進しています。令和3年度は昨年度に引き続きコロナ禍のため、海外交流やクリーンルームの外部使用者を大幅に制限せざるを得ませんでしたが、学外のクリーンルーム内作業の需要に対しては試作支援という形でできる限り対応しました。毎年行っているCMOSトランジスタ・IC作製実習について、8名(他大学技術職員1名、学生研修プログラム1名、ナノテクプラッフォーム技術スタッフ交流プログラム1名、半導体実践講座実習の社会人5名)が参加しました。回路設計は各自が行い、データを大学に転送してマスクパターンを作製し、クリーンルームでの試作プロセス及びデバイス測定は、オンラインで作業内容をリアルタイム配信しながら説明することにより実施しました。

ナノデバイス研究所スーパークリーンルーム

ナノデバイス研究所スーパークリーンルーム

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