岡山大学惑星物質研究所は、平成28年4月、地球物質科学研究センターを改組して発足しました。地球や太陽系の起源、進化及びダイナミクスの解明を目指し、物質科学的な手法による実証的研究を進めています。また共同利用・共同研究拠点として、物質科学的な研究手法に関わる研究資産と経験を、国内外の研究者に積極的に提供し、質の高い共同研究によって先進的な惑星物質研究を牽引する役割を担っています。さらに、国際的な環境での大学院教育や、15年以上継続して実施している「三朝国際学生インターンプログラム」等を通じて、世界で活躍できる次世代の研究者を育成しています。今後、これまで培った研究・教育実績をもとに、広範かつ連続的な時空間を対象とした「総合的物質科学」を実践する研究環境の構築に向け努力を積み重ねていきます。
本研究所の伝統的な強みである大容量マルチアンビル装置による温度圧力発生技術を活かして、地球や地球型惑星深部物質の様々な物性(レオロジー、電気伝導度、熱伝導度、元素拡散等)測定を実施し、地球・惑星深部マントルと核の構造・ダイナミクスに関する多くの研究成果を挙げています。
本研究所では、多様な無機・有機地球惑星物質の解析に必要不可欠な高精度総合的元素分析、同位体組成、年代測定、分光測定等を実施しています。これらを活用し, JAXAとの連携協力協定に基づき、2020年12月にはやぶさ2探査機が持ち帰った小惑星リュウグウの回収試料の無機・有機物の総合解析を進めています。また、米国NASA が実施している小惑星ベンヌのサンプルリターンミッション「オシリス・レックス」にも本研究所教員がチームメンバーとして参画しています。いずれの小惑星も地球の成り立ちや生命の起源に関する知見をもたらすことが期待されています。
毎年国際公募により、学部3・4年生ならびに修士課程学生を対象に、6週間の「三朝国際学生インターンプログラム」を実施しています。このプログラムでは,本研究所教員が提案した研究プロジェクトをインターン学生が実施する形で行われます。最終的に国際誌に論文として公表される場合も多い先進的な研究を経験できることが最大の特色です。インターン学生にとって、高度な実験・分析技術の実体験に留まらず,研究者としての思考プロセス習得やプレゼンテーション能力の向上、研究への情熱の涵養にも繋がっています。本プログラムでは、これまでに150名以上のインターン生を輩出しており、その多くは現在各国の主要研究機関で研究者として活躍しています。ここ2年間は世界的新型コロナウイルス感染拡大を受けて、中止となっておりますが、今後新型コロナウイルス感染拡大の収束を待って、プログラムを再開する予定です。
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