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大阪大学レーザーエネルギー学研究センター

Institute of Laser Engineering, Osaka University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
疇地 宏
Azechi, Hiroshi
キーワード
高出力レーザー、高エネルギー密度科学、レーザー核融合
住所
〒565-0871
大阪府吹田市山田丘2-6
レーザーエネルギー学の推進

レーザーエネルギー学研究センターは、高出力レーザーが生み出すエネルギーの集中性を活用し、「レーザーエネルギー学」という新しい学問領域を開拓し、その体系化を目指しています。高出力レーザーとこれが生み出す先進光科学は、基礎科学から産業応用に至る幅広い分野の基盤をなしており、これがもたらす新しい研究領域は、21世紀の社会に大きく貢献できる重要な科学技術です。研究部門は5部門で構成され、国内唯一の大出力高強度レーザーの共同利用・共同研究拠点(「レーザーエネルギー学先端研究拠点」)として、国内外の研究機関との共同研究を実施しています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


FIREXプロジェクト

「高速点火」は、コンパクトなレーザー核融合システムが可能と期待される先進的な点火方式です。阪大レーザー研では、激光XII号レーザーで爆縮した高密度プラズマに世界最高性能のLFEXレーザーを照射することで高効率に加熱することを目指しています。平成27年度にはLFEXレーザーの高コントラスト化を達成するとともに、世界最大級のデフォーマブルミラーを導入することで、加熱に最適な電子ビームを生成することに成功しました。更に、レーザー生成キロテスラ磁場を用いたレーザー加速電子ビームのガイディング、流体力学的に安定な核融合燃料ターゲットを用いた加熱効率の向上を研究しています。

レーザーエネルギー学の展開

阪大レーザー研の装置を利用した共同研究において、高エネルギー密度科学の基礎研究として最近成果の上がった3つの例を紹介します。これらは産業用光源開発や、核融合の工学応用も持っています。

まず1つ目は、レーザー宇宙・惑星科学における成果です。レーザーにより隕石と同じ速度まで隕石の模擬体を加速し、巨大衝突が起きた地球のユカタン半島と等価な岩石に衝突させました。そこから発生するガスを分析した結果、雨に溶けて酸性雨になりやすい三酸化硫黄の量が二酸化硫黄に比べ急激に増加していることが分かりました。これは酸性雨が白亜期の大絶滅の原因であるという学説を支持するものとなります。

2つ目の成果は、宇宙線の起源であると言われている無衝突衝撃波に関するものです。無衝突衝撃波とは、荷電粒子の平均自由行程が衝撃波面の厚さにくらべて非常に長いために荷電粒子同士の衝突がほとんど起こらないプラズマ中で生成される衝撃波のことです。 宇宙空間には低密度で高温なプラズマが多くみられ、観測される衝撃波はほとんどこの無衝突衝撃波になります。ところがこの衝撃波が出来る機構はまだ十分に分かっていません。超新星から放出される荷電粒子が宇宙空間の背景プラズマ中を走るとき自己磁場によりプラズマがフィラメント状となるワイベル不安定性がおきるとされています。この不安定性が起源となり衝撃波面が形成されることを提唱しました。実際に大型レーザーを用いた国際共同研究による模擬実験を行ったところ、シミュレーション通りに構造が成長することが分かり、無衝突衝撃波の物理に新たな知見を与えました。

3つ目は、高出力レーザーによる超強磁場発生です。高強度レーザーによりキロテスラ級の磁場の生成に成功しました。この磁場を使用すれば、超強磁場を持つ中性子星(マグネター)の物理を地上で研究可能になり、非線形ゼーマン分離・ランダウ量子化といった新しい磁場物理の観測も期待できます。

これらの基礎科学は、理工学・産業分野への展開も持っています。例えば核融合工学においては、隕石衝突は安定な加速手法へ、無衝突衝撃波は相対論的電子流の制御へ、強磁場は磁場による高効率の加熱へとそれぞれ応用が可能です。

Fig76_01

高エネルギー密度科学の展開

 

社会との連携


一般公開

開講座を通じて社会へ貢献しています。また、オープンキャンパスや一般公開により、国内外からの見学者を受け入れています。

先端研究基盤共用促進事業

本センターでは、国内の放射光およびレーザー機関と“光ビームプラットフォーム”を形成し、文部科学省の先端研究基盤共用促進事業を展開しています。本事業を通して新しい光産業の創成および産業界のあらゆるニーズに応えています。

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