研究所・研究センター一覧

名古屋大学環境医学研究所

Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
  • 第2部会

研究所・センターの概要


所長
山中 宏二
Yamanaka, Koji
キーワード
次世代創薬、ストレス受容・応答、生体適応・防御、新規治療法・予防法、心血管、脳神経系、内分泌、代謝、ゲノム制御
住所
〒464-8601
愛知県名古屋市千種区不老町

環境医学研究所は名古屋大学で最も長い歴史を持つ研究所(1946年創設)です。これまで特殊な物理・化学環境に対する生体の適応とその破綻の仕組みを解明するために、航空・宇宙関連の「特殊環境医学」や「近未来環境医学」に関する研究を行ってきましたが、その到達点として基礎医学・疾患病態研究と次世代創薬技術の開発を目指す研究へとシフトしています。これに伴って、二つの研究部門(I. ストレス受容・応答、II. 生態適応・防御)に加えて「次世代創薬研究センター」を立ち上げ、先進製薬企業との連携による次世代型創薬を目指す産学協同研究部門を開設、アカデミアでは持ち得ない様々な創薬研究ファシリティーを利用できる環境を構築して様々な健康障害に対して有効な予防法・治療法を確立することを目標に実践的創薬開発を目指して研究を行っています。

平成27年度の研究活動内容及び成果


薬物依存者の意思決定:リスク回避より目先の利益を優先する近視眼的意思決定

最近世間を騒がしている危険ドラッグや覚せい剤乱用による危険行為、なぜ、一度手を染めた人は、リスクを負ってもドラッグの売買をするのでしょうか?なぜ治療したはずなのに、依存症は再発するのでしょうか?どうして自分をコントロールできなくなるのでしょうか?そして、こうした症状は脳のどこから生まれるのでしょうか?

薬物依存者の意思決定は近視眼的であり、長期的な利得の予測や評価が、健常者とは異なります。薬物依存者の他、ギャンブル障害や統合失調症の患者においても意思決定障害が認められますが、その神経基盤はほとんど解っていません。この問題に挑戦するために、動物用ギャンブルテストを用いて覚せい剤依存ラットの意思決定の特徴を調べました。その結果、覚せい剤依存ラットはコントロール動物に比較してハイリスク・ハイリターンの選択肢を選ぶ割合が高いこと、また、この意思決定の変化には島皮質神経の異常な興奮が関与していることを明らかにしました。さらに、計算理論に基づくシミュレーションにより、覚せい剤依存ラットではハイリターンに対する主観的な報酬価値が大きくなっていることがわかりました。薬物依存者の「薬への強迫的欲求」だけでなく、こういった脳機能障害が根底にあるため、依存症の再発に繋がると予想されます。

これらの研究成果は、薬物依存の予防や診断・治療にも応用可能であり、意思決定障害に関する研究は、ギャンブル障害の病態解明にも繋がると考えられます (Proc Natl Acad Sci U S A., 112: E3930-E3939, 2015; ATLAS of Science, 2016)。

Fig48_01

社会との連携


先端研究を社会へ

■企業との連携

環境医学研究所は複数の製薬企業や医療機器メーカーとの共同研究、共同開発を推進し、私たちが保有する技術や知財の実用化を通して社会還元を図っています。その成果としてこれまでに複数の創薬ベンチャーや医療関連技術ベンチャー企業を排出してきました。

■市民との対話

私たちは毎年市民公開講座や研究所公開を実施して研究所で行われている先端研究を市民の皆様にわかりやすく説明しております。また、大学が実施する各種公開セミナーにも積極的に協力し、いずれも好評をいただいております。

 

研究所・研究センター一覧

Links

文部科学省日本学術会議国立大学共同利用・共同研究拠点協議会janulogo300-80