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名古屋大学環境医学研究所

Research Institute of Environmental Medicine, Nagoya University
  • 第2部会

研究所・センターの概要


所長
益谷 央豪
Masutani, Chikahide
キーワード
次世代創薬、ストレス受容・応答、生体適応・防御、新規治療法・予防法、脳神経系、内分泌、代謝、ゲノム制御
住所
〒464-8601
愛知県名古屋市千種区不老町

環境医学研究所は名古屋大学で最も長い歴史を持つ研究所(1946年創設)です。そのミッションは、「環境医学に関する学理及びその応用研究」にはじまり、時代の潮流や社会的要請に応じて「宇宙医学など特殊な環境下の健康科学」、「近未来環境がもたらす健康障害のメカニズム解明と予防法開発」と変遷してきました。現在は、神経系、内分泌・代謝、ゲノムを重点研究領域として、人体の恒常性維持機構やその破綻による疾患の発症メカニズムなどに関する基礎医学研究を展開しています。また、附属センターである「MIRAIC-未来の医学研究センター」と「産学協同研究センター」では、所外研究者との連携・次世代若手研究者の育成・先進製薬企業等との産学連携による実践的創薬研究を進めることにより、様々な健康障害に対して有効な予防法・治療法を確立することを目標に研究を行っています。

令和2年度の研究活動内容及び成果


急性腎障害の慢性化メカニズムの解明

急性腎障害は、様々な原因により急激に腎機能が低下する状態で、入院患者の3.5%に発症するなど比較的高頻度に認められる腎疾患です。半数程度は腎機能が一旦回復しますが、実際には腎臓にダメージが蓄積し、中長期的に高い確率で慢性腎臓病や末期腎不全に移行することが明らかになってきました。集中治療領域の発達、造影剤の使用や癌症例の増加、人口の高齢化や糖尿病など生活習慣病の増加に伴って、わが国においても急性腎障害の発症頻度は増加傾向にあり、その対策は喫緊の課題です。
本研究では、急性腎障害から慢性腎臓病への病態の進展に、マクロファージに発現するMincle(macrophage-inducible C-type lectin)が関わることを明らかにしました。Mincleはマクロファージの細胞膜上に局在するタンパクで、従来、結核菌や病原性真菌に対する病原体センサーとして、感染防御に働くことが知られていました。本研究では、マウス急性腎障害モデルを用いて、Mincleが壊死尿細管を感知して腎障害の慢性化に働くことを見出し、急性腎障害から慢性腎臓病への移行メカニズムの一端を明らかにしました。これまで、主に急性期に関する研究が精力的に行われてきましたが、Mincleは修復期〜慢性期に作用する点がユニークと言えます。急性腎障害は急激に発症するため、ヒトにおいて病初期に治療介入することは困難です。本研究の成果を踏まえて、修復期〜慢性期のMincleを標的とすることは、今後の治療戦略を考える上で有用と考えられます。(Tanaka M et al. J. Exp. Med. 217: e20192230, 2020)

社会との連携


先端研究を社会へ

■企業との連携
環境医学研究所は複数の製薬企業や医療機器メーカーとの共同研究、共同開発を推進し、私たちが保有する技術や知財の実用化を通して社会還元を図っています。その成果としてこれまでに複数の創薬ベンチャーや医療関連技術ベンチャー企業を排出してきました。

■市民との対話
私たちは毎年市民公開講座や研究所公開を実施して研究所で行われている先端研究を市民の皆様にわかりやすく説明しております。また、大学が実施する各種公開セミナーにも積極的に協力し、いずれも好評をいただいております。

 

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