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北海道大学北極域研究センター

Arctic Research Center、 Hokkaido University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
深町 康
Fukamachi, Yasushi
キーワード
北極域、大気圏・水圏、陸圏、雪氷圏、環境工学、衛星観測・モデリング、北極ガバナンス、北極域の人と社会
住所
〒001-0021
北海道札幌市北区北21条西11丁目
北極域の持続可能な開発・利用・保全の推進

北極圏とその周辺域(北極域と呼びます)は、地球温暖化の影響をもっとも顕著に受ける地域の一つと言われています。事実、過去35年間で夏季の海氷面積が3分の2程度に減少する海氷後退が観察されています。こういった現象は、北極域の気候や生態系に影響を及ぼすだけではなく、水や大気の循環を通じて地球規模の変異を起こす可能性があります。一方で、資源開発の活発化や北極海の航路としての活用など、北極域の環境変動は、新たな利権を生み出す側面も持っています。したがって、北極域は、環境問題にとどまらず、政治や経済面での数多くの問題に直面している地域と言えます。
センターのビジョンは、北極域の持続可能な開発・利用・保全の推進に寄与することで、次の3つのミッションを掲げています。
①北大の特色を生かした北極域のフィールド研究の推進と国際ネットワークの拡大
②異分野連携による超学際的北極域研究の創出
③社会・産業構造変革を創造するための産学官プラットフォームの構築

令和3年度の研究活動内容及び成果


気候変動下における海洋生物の退避海域を発見

1990年から2018年までの長期にわたって実施した東ベーリング海陸棚海域観測調査をもとに、調査した159種の生物中の91%の種が生息する高い生物多様性を有する非常に狭い海域を発見しました。さらに、この海域が過去約30年間で冬季の海氷や水温変化が比較的小さい気候緩衝海域と一致しており、漁業資源保護にも重要であることを見出しました。本研究成果は2021年、本センター教員4名を含む国際共著論文”Marine biodiversity refugia in a climate-sensitive subarctic shelf”としてGlobal Change Biologyに発表されました。

東ベーリング海における海洋生物の多様性と分布および気候の安定性

東ベーリング海における海洋生物の多様性と分布および気候の安定性

 

 

社会との連携


産学官と連携した研究活動の実施

本センターでは、北極海および北太平洋海域をフィールドとした持続可能な観光クルーズ産業の可能性や、海氷状況が長期的に緩和している北極海の安全で持続可能な産業利用の可能性と課題解決について、産業界、公的セクター及び自治体と連携して、研究を実施しています。その経過や成果は、公開セミナー等のイベントならびに、自治体や経済・産業団体による研究会などの活動の場を通じて共有しています。また、関係分野の国際的な機関や経済団体と国内事業者とのネットワークづくりを行い、経済的・実務的分野を主体とする国際セミナーや実証試験の実現にも協力してきました。

 

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