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北海道大学遺伝子病制御研究所

Institute for Genetic Medicine, Hokkaido University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
田中 一馬
Tanaka, Kazuma
キーワード
感染癌、免疫学、感染症、腫瘍、炎症、基礎医学、生命科学
住所
〒060-0815
北海道札幌市北区北15条西7丁目
北海道から世界へ―感染癌、免疫、癌を中心に生命医科学に新しいコンセプトを切り拓く

遺伝子病制御研究所は、免疫科学研究所と医学部附属癌研究施設が統合され、「遺伝子の異常が関わるヒト疾患の病因、病態解明およびその予防・治療法の開発」を目標として2000年に設置されました。病因、病態、疾患制御の3大研究部門に渡る12の研究分野と附属動物実験施設、感染癌研究センター等から構成されています。2010年からは「細菌やウイルスの持続性感染により発生する感染癌の先端的研究拠点」として文部科学省「共同利用・共同研究拠点」の1つに認定されました。そこで本研究所では、感染癌とその周辺領域研究(微生物病や免疫・炎症、癌の病因や病態など)の基礎医学研究を通じて、これら疾患の予防、治療へつながる新規の遺伝子や分子基盤を見出すことを目標に研究活動しています。国際的に活躍できる若手研究者の育成に取り組み、北海道大学独自のフロンティア精神をもって、真に独創的な切り口で、生命医科学に新しいコンセプトを切り拓くことを目指しています。

令和2年度の研究活動内容及び成果


新型コロナウイルスが重症化を引き起こすメカニズムを提唱

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で生じる急性呼吸器不全症候群(ARDS)がサイトカインストームにより発症するサイトカインリリース症候群である可能性に加え、それを防ぐ治療標的としてIL-6-STAT3経路を提唱しました。新型コロナウイルスが感染するためには細胞表面にあるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が受容体として作用すること、さらにウイルスが細胞に侵入するためには細胞表面に存在するタンパク分解酵素であるTMPRSS2が必要であることが明らかにされていました。これらやその他の知見に基づき、新型コロナウイルスがACE2を独占すると、転写因子であるNFκBとSTAT3の協調作用により、インターロイキン6(IL-6)の増幅回路(IL-6アンプ)が活性化され、炎症性サイトカインの産生が異常に増加するサイトカインストームが発生することによりARDSが発症するという仕組みを提唱しました。さらに治療薬の標的としてIL-6アンプで重要な役割を担うIL-6-STAT3経路が有望であることも提唱しました。

新型コロナウイルス重症化がIL-6 AMPにより引き起こされる可能性

新型コロナウイルス重症化がIL-6 AMPにより引き起こされる可能性

社会との連携


教育、研究活動を通じて社会への還元を目指す

感染癌とその周辺領域である「免疫、癌、感染、炎症など」に主眼を置いた基礎医学的な研究成果を通じて、関連疾患の予防法や治療法を社会に還元することが大きな目標です。2020年4月には、新型コロナウイルス感染症が引き起こす重症肺炎の治療法として、上述した炎症アンプをターゲットにすることを提唱し、臨床治験が開始される等、大きな反響を呼んでいます。また、研究活動を学生や市民の皆さんに知っていただくため、大学祭に併せて所内一般公開を実施しています。生命科学の実験、観察体験やサイエンストークなどを行い、例年数百人の来場者があります。さらに、将来研究者を目指す高校生を対象とした所内見学会、小学生を対象とした「北大こども研究所」の開催、さらに幼稚園への出張授業などを通じて、研究所で実施している研究を広く社会に対して発信しています。

一般公開時のサイエンストークの一例

一般公開時のサイエンストークの一例

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