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北海道大学遺伝子病制御研究所

Institute for Genetic Medicine, Hokkaido University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
村上 正晃
Murakami, Masaaki
キーワード
免疫学、感染、がん、炎症、基礎医学、生命科学
住所
〒060-0815
北海道札幌市北区北15条西7丁目
がん、感染、免疫、炎症に関連する基礎医学研究、橋渡し研究を通じて新規コンセプトを提示

北海道大学遺伝子病制御研究所は、2000年に附置研、結核研究所(後の免疫科学研究所)と医学部附属癌免疫病理研究施設が融合し、「遺伝子の異常が関わるヒト疾患の病因、病態解明およびその予防・治療法の開発」を共通の目標として設置された。病因、病態、疾患制御の3大研究部門に渡る11の研究分野と動物実験施設、感染癌研究センターの2附属施設、さらに1つの寄附研究部門と平成26年度より新たにフロンティア研究ユニットとしての2つの分野を加えた計16の研究室から構成される。がん、感染、免疫、炎症に関して、疾患の原因となる分子機構を解明し、それらの予防法、治療法を見出すことを目標としている。平成22年より「細菌やウイルスの持続性感染により発生する感染癌の先端的研究拠点」として文部科学省共同利用・共同研究拠点に認定された。これらの研究活動を通じて、若手研究者の育成にも積極的に取り組み、北海道にゆかりの開拓者精神をもって、国際的にも評価される新規コンセプトを提示し、国内外の基礎医学研究、橋渡し研究をリードしていくことを目指している。

平成27年度の研究活動内容及び成果


痛みゲートウェイ反射による中枢神経系病態の再発機構

私たちは、重力刺激を起点とする特定の神経回路の活性化が、特定血管に部位特異的にケモカイン(遊走因子)発現を誘導して免疫細胞の侵入口を形成する現象を重力ゲートウェイ反射として2012年に発見した。今回、疼痛刺激を起点とする特定神経回路の活性化が、新たなゲートウェイ反射“痛みゲートウェイ反射”の引き金となることを見出した。疼痛は多くの疾患に共通する症状であるが、これまでは組織損傷の際の副産物と考えられており、疼痛が、病気の症状や進行を直接的に増悪するかどうかは知られていなかった。今回、痛みに伴う特定の神経回路の活性化が特定血管にノルアドレナリン分泌を誘導してケモカインの局所発現を介して多発性硬化症モデル(EAE)の病態の再発を引き起こした。具体的には、痛み刺激に伴う感覚神経の活性化が、脳の帯状回にて主に脊髄背側血管を支配する交感神経活性化を誘導して脊髄腹側血管付近にノルアドレナリンを分泌、第5腰髄付近に多数残存する活性化モノサイトを当該血管に集積させた。これら活性化モノサイトは局所にて自己抗原を提示し、末梢血中に存在する自己反応性T細胞の活性化を介して炎症回路の活性化からEAEの再発が誘導された。これらの結果から、痛みに伴う神経回路の活性化阻害が、多くの疾患の予防、治療の新たな手段になる可能性が考えられた。

Fig3_03

痛みゲートウェイ反射

 

社会との連携


オープンファシリティーと研究コミュニケーションの場づくりも通じてより開かれた研究所へ

本研究所は、がん、感染、免疫、炎症の関連疾患の原因となる分子機構を解明し、これら疾患の予防法、治療法を臨床の現場に届けることを目標に研究を行っている。結果は、国際論文、国際学会などへ発表を行って、さらに、積極的に国内外に広報活動を行って広く発信している。特に共同利用・共同拠点事業では、関連研究領域の多くの研究者と国内外に連携し、当該研究領域の共同研究の実施、研究会・シンポジウムの開催を行っている。また、研究所内の機器の多くはオープンファシリティー化され、学内外の研究者へ開放され、さらに、変異動物作成サービス、動物施設スペース・オープンラボの貸し出しサービスなどを実施して、より社会に開かれた研究所を目指している。例年、北大祭に併催して他の附置研究所と共同にて一般公開を実施し、基礎医学研究、橋渡し研究の一般市民への紹介を“サイエンストーク”として実施することをはじめ、実験体験や観察ができる場を設けている。平成27年度の一般公開では、当研究所単独で1,000ほどの来所者数を記録した。また、高校生の研究所訪問日の設定、中高生への訪問授業、さらに、幼稚園児、小学生を含む訪問授業も実施して若い世代から一般市民まで幅広い層を対象に研究コミュニケーションの場を提供し、積極的に社会とつながりを持つことに努めている。

一般公開時のサイエンストークの一例

一般公開時のサイエンストークの一例

 

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