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北海道大学触媒科学研究所

Institute for Catalysis, Hokkaido University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
清水 研一
Shimizu, Ken-ichi
キーワード
触媒、表面化学、電極表面、光触媒、炭素資源変換、有機材料、高分子、触媒理論化学、実用化基盤技術開発
住所
〒001-0021
札幌市北区北21条西10丁目

本研究所では、サステイナブル社会実現のための触媒科学基礎研究とその実用化にむけた研究を行うとともに、当該分野における研究者の利用に供することを目的とした活動を行ってきました。触媒表面の構造解析、理論計算および表面分光による機構解明、食品鮮度保持触媒、バイオマス変換、炭素資源変換、環境浄化触媒、精密有機合成、機能性高分子合成などの研究テーマで多くの成果を上げ、研究開発部門では産業界との共同研究を促進しています。平成22年度からは触媒研究拠点として認定され、公募型の共同利用・共同研究を推進して研究者コミュニティを支援するとともに、日本の優れた触媒研究を海外に情報発信する活動も行っています。

令和4年度の研究活動内容及び成果


触媒によるキチンの解重合と有機窒素化合物の合成

バイオマスは再生可能エネルギーの中で唯一の有機化合物からなる資源である。その中でも資源量が多く、食料と競合しない木質及び海洋バイオマスの利用は、低炭素化に資すると期待されている。キチンはバイオマスの中でセルロースに次ぐ第二の資源量を誇り、エビやカニの甲羅に大量に含まれている。キチンはN-アセチルグルコサミン(NAG)がβ-1、4-グリコシド結合によって多数連結した高分子である。キチンからNAGを合成できれば様々な有機窒素化合物への変換が期待できる。本研究所の福岡らはキチンに触媒量の硫酸を含浸してボールミル処理を行ことでNAGを高収率で合成することに成功した。また、硫酸の代わり弱酸点を持つ炭素触媒とキチンを混ぜてボールミルを行うとオリゴ糖が高選択的に得られた。さらに、NAGを糖アルコール、二環縮合アミドアルコール、グリシンの誘導体等の有用化学品に変換する触媒法の開発に成功した。現在、工業的な有機窒素化合物の合成における窒素源は、大量の炭素排出を伴うハーバー・ボッシュ法で製造したアンモニアである。キチンを原料にすればアンモニアを経由しない窒素循環型の物質合成可能となる。

キチンを原料とする窒素循環型物質合成

キチンを原料とする窒素循環型物質合成

社会との連携


本研究所では、研究成果の社会還元・情報発信を目的として、毎年、国際シンポジウムを開催している。令和4年度もコロナ禍にあり多くの国際シンポジウムが中止となる中で、国外の研究者コミュニティとの連携を継続するために、オンライン形式で国際シンポジウムを継続した、延べ約10か国、145名程度の参加を集めた。また、オンライン形式でサマースクールを開催した。触媒分野におけるトップレベルの外国人研究者の講義を国内外の大学院生に提供した。

オンライン型国際シンポジウム

オンライン型国際シンポジウム

 

 

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