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北海道大学低温科学研究所

Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
  • 第1部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
福井 学
Fukui, Manabu
キーワード
低温、寒冷圏、水・物質循環、雪氷、宇宙物質、生物環境、環オホーツク
住所
〒060-0819
北海道札幌市北区北19条西8丁目
低温科学研究の推進、共同利用・共同研究の実施、分野横断的に新たな学術研究の創出と展開

北海道大学低温科学研究所は、1941年の創設以来、既存の学問分野を超えた新たな科学の創造を期して、雪氷学や低温生物学の黎明期を担ってきました。1995年には、大学附置としたままで寒冷圏および低温環境下における自然現象の応用と研究を目的とする全国共同利用型の研究所に生まれ変わり、さらに2010年からは低温科学における共同利用・共同研究拠点としてさらなる活動を展開しています。地球環境科学の一翼を担う研究機関として、寒冷圏の様々な自然現象の解明に取り組むとともに、物性物理学、地球化学、地球惑星科学、海洋科学、生物環境科学などに関する基礎的研究も推進しながら、様々な分野と複合的に結びつき新たな学術創成に努めています。

令和2年度の研究活動内容及び成果


太陽系形成より古い有機分子を炭素質隕石から検出~ただ古いだけじゃない!太陽系に存在する有機物生成に不可欠な分子~

小惑星探査機「はやぶさ2」によって回収された小惑星「リュウグウ」の破片を含むカプセルが無事に地球に帰還したことは記憶に新しく、どのような成分が含まれているか、太陽系形成および生命の起源に関する情報が含まれているかなど、科学者のみならず、広く一般に興味を集めている。小惑星を含む太陽系に存在するすべての物質は、太陽系が形成された、星間分子雲という極低温環境に存在した化学種から形成された。しかし、どのような化学種がどのように変化して太陽系の構成成分となったのか、宇宙化学における大きな謎として残されていた。特に、隕石に含まれるアミノ酸や糖などの複雑な生体関連分子に多くの興味が集まり、それらが生成するには、ホルムアルデヒドとアンモニアが不可欠だとわかってきた。しかし、揮発性の極めて高いそれらの分子がどのようにして小惑星での反応の材料となったのか、その詳細はわかっていなかった。本研究所を中心とする国際研究チームは、3種の炭素質隕石からヘキサメチレンテトラミン(HMT)という有機分子を初めて検出することに成功した。隕石中HMTは、46億年前の太陽系形成に先立って、極低温の星間分子雲で水やメタノール、アンモニアなど、単純な構造の分子から生成したと考えられる、隕石中有機物の中では極めて始原的な分子である。さらに、⼩惑星上でのプロセスで分解し、ホルムアルデヒドとアンモニアを生成可能であるため、HMTがそれらの前駆体となり、種々の隕石中有機化合物生成につながったと考えられる。本研究での隕石中HMT検出により、主要な隕石有機物の材料および生成プロセスに関する理解が飛躍的に発展した。

HMTは星間分子雲での光化学反応により小さな分子から形成され、太陽系の構成成分となった。⼩惑星上でのプロセスでホルムアルデヒドとアンモニア、さらにアミノ酸や糖など、種々の有機分子が生成される

HMTは星間分子雲での光化学反応により小さな分子から形成され、太陽系の構成成分となった。⼩惑星上でのプロセスでホルムアルデヒドとアンモニア、さらにアミノ酸や糖など、種々の有機分子が生成される

社会との連携


低温科学研究の世界的発信の基盤確立を目指して

■共同研究・研究集会の開催

多くの所外研究者を招いて、共同研究の実施や研究集会の開催を推進しています。特に研究集会は、既存の学会や研究コミュニティを横断的に繋げる新たなコミュニティの創設を目指す企画を強化しています。

■国際連携の強化

現在までに31の国外研究機関、組織との連携研究協定を締結するなど、低温科学における世界的拠点としての機能を果たすために国際化を推進しています。

■雑誌「低温科学」

本研究所が毎年発行する「低温科学」は、毎年テーマを決めて、地球惑星科学、物性科学、地球化学、海洋学、生物分子科学、環境科学などを専門とする所内外の研究者により執筆し、専門家、初学者、さらには一般向けに研究所の研究をわかりやすく伝えていこうという趣旨の雑誌です。掲載記事は、「北海道大学学術成果コレクション(HUSCAP)」において公開し、自由にダウンロードも可能です。

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