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北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター

Research Center for Zoonosis Control, Hokkaido University
  • 第2部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


センター長
鈴木 定彦
Suzuki, Yasuhiko
キーワード
人獣共通感染症、予防・診断・治療法の開発、グローバルサーベイランス、アジア・アフリカ、One Health
住所
〒001-0020
北海道札幌市北区北20条西10丁目
人獣共通感染症の克服に向けた全地球規模の活動

北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターは平成17年4月に設置されました。以来,人獣共通感染症病原体の自然宿主と伝播経路の解明,宿主域と病原性の分子基盤の解明,出現予測,診断・予防・治療法の開発を目指して,全地球規模で疫学研究活動を展開すると共に,基礎・応用研究を推進しております。教育面では,博士課程リーディングプログラムと連携して,Zoonosis Control Expert (人獣共通感染症対策専門家)の育成に取り組んでいます。

当センターは,平成22年4月に文部科学大臣より共同利用・共同研究拠点として認定され,また,平成23年11月にはWHO よりCollaborating Centre for Zoonoses Controlとして指定されました。人獣共通感染症の対策に向けて,科学的見地に基づき,人獣共通感染症克服のための方策を,国際機関,政府および関連機関に提言し,One World, One Health理念を具現することを目指しております。

平成28年度の研究活動内容及び成果


フルーツバットにおけるエボラウイルスの抗体調査

エボラウイルスは,何らかの野生動物(自然宿主)に感染し自然界に存続しており,ヒトあるいはサルに伝播すると致死率の高い感染症をひき起こします。フルーツバットがエボラウイルスの自然宿主として疑われています。本研究では,アフリカ大陸に広く棲息し大陸内を広域に移動するフルーツバット(Eidolon helvum)からエボラウイルス特異的抗体を検出し,過去にウイルスに感染していたことを証明しました。この種のフルーツバットがエボラウイルスを運ぶ可能性があることを示唆しています。

ネパールの野生動物における結核

結核は全世界で蔓延しており,2014年には全世界で約960万人の新規患者と約150万人の死亡者を出しています。ヒトに結核を起こしているのは,結核菌群菌と呼ばれる細菌の一群ですが,これらは,ヒトのみならず様々な動物にも結核を引き起こす,いわゆる人獣共通感染症起因病原体です。本研究では,ネパールの国立公園において死亡したインドサイ,並びに国立公園で捕獲された野生のシカ科の動物から結核菌群菌の一種を発見しました。この事は,ネパールの野生動物内に結核が蔓延しており,野生動物保護の脅威となっていることを示すものでした。

数理モデルによりマイコプラズマ肺炎の流行周期メカニズムを解明

日本に於いて1990年代初期までマイコプラズマ肺炎は4年周期で流行を引き起こしてきました。その後に周期は消失し,流行は収束した様に見えましたが,抗生物質耐性菌が出現し近年大流行を引き起こしました。流行対策の為に流行パターンの理解が求められる中,数理モデルによる流行動態解析により,免疫が消失するまでの時間の宿主間の個体差の小ささが過去に観察されていた4年の流行周期を引き起こしている事を明らかにしました。

人獣共通感染症対策専門家の養成

博士課程教育リーディングプログラムと連携して,大学院生7名を人獣共通感染症対策専門家(Zoonosis Control Expert)として認定しました

社会との連携


大学祭において市民向け展示ブースを出展

北海道大学の大学祭に併せて,平成28年6月4日(土)創成研究機構の一階エントランスホールに「人獣共通感染症の克服を目指して」と題した展示ブースを出展しました。インフルエンザ,エボラウイルス病,アフリカ眠り病などの人獣共通感染症について,パネルを用いて解説しました。顕微鏡2台を持ち込み,インフルエンザウイルスおよびウエストナイルウイルスの感染細胞,ツェツェバエ,ダニ,蚊の顕微鏡観察を行いました。北海道大学の大学祭の期間中であり,一般市民238名が当展示ブースに訪れました。

市民向け展示ブースの様子

市民向け展示ブースの様子

市民公開講座の開催

平成29年2月12日(日)に北海道大学学術交流会館において「感染症の克服に向けて」と題した市民公開講座を,東京大学医科学研究所,大阪大学微生物病研究所,長崎大学熱帯医学研究所と共催で開催しました。東京大学から川口寧教授,大阪大学から松浦善治教授,長崎大学から平山謙二教授,北海道大学から喜田宏ユニバーシティプロフェッサーが感染症に関する最新の知見を解説しました。市民公開講座には,一般市民64名が参加しました。

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