平成17年4月人獣共通感染症リサーチセンターとして活動を開始し、人獣共通感染症病原体の自然宿主と伝播経路の解明、宿主域と病原性の分子基盤の解明、出現予測、診断・予防・治療法の開発を目指して、地球規模で疫学研究活動を展開すると共に、基礎・応用研究を推進しています。また、人獣共通感染症の対策に向けて、科学的見地に基づき、人獣共通感染症克服のための方策を、国際機関、政府および関連機関に提言しています。教育面では、北海道大学One Healthフロンティア卓越大学院プログラムと連携して、人獣共通感染症対策専門家の育成に取り組んでいます。令和3年4月よりは、人獣共通感染症リサーチセンターを基盤として組織を充実させた3ユニットから成る人獣共通感染症国際共同研究所がスタートしました。令和4年4月には待望の3号棟が竣工しました。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行に対応するために、予防法および治療法の研究開発を推進しました。その結果、ワクチンへの応用が期待できる新型コロナウイルス株の分離に成功しました(図:SARS-CoV-2を、宿主タンパク質分解酵素(TMPRSS2)の無い状況で感染させるとスパイクタンパク質の切断部位に変異が起こり、ウイルスの特徴が変わる)。また、塩野義製薬株式会社と共同で新型コロナウイルスの治療に応用できる新規化合物を発見し、動物実験において、その有効性と安全性を確認しました。塩野義製薬株式会社は、2022年2月5日に厚生労働省に対して、その化合物の日本初のCOVID-19経口治療薬としての製造販売承認を申請しました。また、バイオセーフティー・レベル3 実験室へ導入された最新型クライオ電子顕微鏡を使って生の新型コロナウイルスの観測に成功しました。
東京大学医科学研究所、大阪大学微生物病研究所、長崎大学熱帯医学研究所、長崎大学高度感染症研究センターとともに提案していた「連携基盤を活用した感染症制御に向けた最先端研究・次世代人材育成事業」(令和4−9年度)が文部科学省より採択され、感染症制御に向けた次世代人材育成および社会へ情報発信等に共同で取り組むことになりました。
国際機関である世界保健機関(WHO)、国際獣疫事務局(OIE)、国連食糧農業機関(FAO)をはじめとして、海外の30以上の機関とウイルス、細菌および原虫感染症の基礎および診断・予防・治療法の研究において様々な共同研究を展開するなど、人獣共通感染症における世界的拠点としての機能を果たしています。
北海道大学
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広島大学
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