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京都大学iPS細胞研究所

Center for iPS Cell Research and Application, Kyoto University
  • 第2部会

研究所・センターの概要


所長
山中 伸弥
Yamanaka, Shinya
キーワード
iPS細胞、幹細胞、再生医療、難病創薬、生命倫理
住所
〒606-8507
京都府京都市左京区聖護院川原町53

iPS 細胞研究所(CiRA =サイラ)は、平成22 年4 月にiPS 細胞の基礎研究から臨床研究までをシームレスに推進するために設立されました。現在、未来生命科学開拓部門、増殖分化機構研究部門、臨床応用研究部門、基盤技術研究部門、上廣倫理研究部門の5つの研究部門に分かれ、iPS 細胞技術を創薬や再生医療に応用することを目指した研究に取り組んでいます。また、iPS 細胞に関連する倫理的、社会的、法的課題の解決に向けた研究および対処法の実践を進めています。世界最高水準のiPS 細胞研究拠点として機能し、幹細胞分野をはじめとする学理の探求に貢献するとともに、若手研究者の育成にも努めます。

令和元年度の研究活動内容及び成果


CiRAは、下記の2030年までの長期目標を掲げ、iPS細胞技術の医学応用を実現すべく研究活動に取り組んでいます。

<CiRA 2030年までの目標>

  • iPS細胞ストックを柱とした再生医療の普及
  • iPS細胞による個別化医薬の実現と難病の創薬
  • iPS細胞を利用した新たな生命科学と医療の開拓
  • 日本最高レベルの研究支援体制と研究環境の整備

CiRAでは、将来の再生医療において、品質の保証されたiPS細胞を迅速に提供することができるよう、再生医療用iPS細胞ストックを作製するプロジェクトを進めています。

2020年1月には、京都大学医学部附属病院(京大病院)と連携し、再生医療用iPS細胞ストックを使用した関節軟骨損傷の再生を目指した臨床研究が承認されました。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究において薬となる有効な化合物がみつかり、京大病院、他3機関と連携をとりALSの患者さんを対象とした創薬治験が進められています。

iPS細胞を用いた再生医療研究にも進捗がありました。ゲノム編集技術を用いて、輸血後に拒絶反応を起こしにくいiPS細胞由来の血小板の作製に成功しました。また、新しいゲノム編集ツールCRISPR-Cas3の開発に成功し、ヒトiPS細胞においてデュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子を修復できることを報告しました。

武田薬品工業株式会社との大型共同研究プログラムT-CiRAでも大きな進展がありました。T-CiRAで作成した初のiPS細胞由来CAR-T細胞を用いて臨床試験に向けた新たなプロジェクトが始まり、2021年のfirst-in-human(FIH)試験実現に向け、がんの治療法となるCAR-T療法(iCART)プログラムが開始されました。

iPS細胞ストック事業を長期的に推進するために、京都大学は2019年9月には公益財団法人に移行することを目指した一般財団法人 京都大学iPS細胞研究財団を新法人として設立しました。2020年度以降から財団が、患者さんに最適なiPS細胞を届けるためにiPS細胞ストック事業を運営する予定です。

今後も、患者さんに一日でも早くiPS細胞技術を届けるという強い信念を持って、研究活動に邁進してまいります。

 
 

社会との連携


iPS細胞は、今後の医療に大きな影響を与え、誰もがその恩恵をうける可能性のある新しい技術です。そのため、より多くの方々に研究活動について理解していただけるように、ニュースレター、シンポジウム、サイエンス・カフェ、ウェブサイト、SNS等、各種媒体を利用したコミュニケーションに努めています。研究者に向けては、国内外から研究者を招聘し、セミナーを開き研究促進のための意見交換を積極的に行なっています。
CiRA設立10周年に当たる2020年は京都大学総合博物館での特別展やシンポジウム等を企画しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、残念ながら活動を縮小せざるを得ませんでした。今後は情勢に応じて、感染予防対策を継続しながら可能な範囲で活動を再開したり、オンラインツールを活用した発信を行う予定です。

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