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京都大学経済研究所

Institute of Economic Research, Kyoto University
  • 第3部会
  • 共同利用・共同研究拠点

研究所・センターの概要


所長
西山 慶彦
Nishiyama, Yoshihiko
キーワード
複雑系経済学、経済変動、ゲーム理論、組織と戦略
住所
〒606-8501
京都府京都市左京区吉田本町

京都大学経済研究所は産業経済に関する総合研究を目的として、1962年4月に設立され、理論経済学と計量経済学を中心として、日本の経済学の基礎科学的側面の発展に先導的役割を果たしています。同時に、本研究所は実用科学的側面での経済学の発展にも力を入れ、2005年度からは、中央官庁との連携の下で先端政策分析研究センターを設置し、理論と実証の両面からエビデンスに基づく政策研究を推進しています。2010年度からは、共同利用・共同研究拠点「先端経済理論の国際的共同研究拠点」として文部科学省の認可を受け、研究資源を広く内外の研究者コミュニティに向けて提供し、世界の経済学の発展に貢献しています。若手研究者や大学院生の養成も積極的に行い、2009年には他に先駆けて、欧米諸国の大学にならったテニュアトラック制度を確立するなど、若手研究者の雇用機会を広げる努力を続けています。

令和3年度の研究活動内容及び成果


経済研究所では、経済理論に力点をおいた研究を推進しています。とくに、ゲーム理論、複雑系経済学の理論研究とそれを支える計量経済分析を研究の柱とし、景気循環など経済変動の解析や制度や組織での戦略のあり方の分析を進め、継続して国際的な研究業績を残してきました。令和3年度は、継続してこうした分野の研究を推進するとともに、少子高齢化・世代間格差・移民問題・財政再建など人口に関わる諸問題の経済分析および新しい経済理論の開拓、国際共同研究の推進に力を入れてきました。また、先端政策分析研究センターでは、財政、環境、資源、地域振興、コロナ感染症対策といった、わが国や世界経済における現代的諸問題に即した研究テーマについて、エビデンスベースの政策立案をキーワードに中央官庁との協働を進めています。また、極めて新規性の高い研究分野として、医学と連携した人間科学パネルデータ構築およびそれを用いた社会科学研究にも挑戦しています。

社会との連携


経済学の一般向け普及

より良い経済を作っていくためには、常に、経済学の最新の知見を社会に取り入れていく努力が必要です。そのために、本研究所では、経済学の専門分野に関する講演会とともに、経済政策、科学技術政策に関連して内外の専門家をお招きし、経済政策や科学技術政策のあり方を経済学的視点で議論する経済研究シンポジウム・シリーズを開催しています。最新の研究テーマを一般向けに解説したシンポジウムを継続的に企画しており、令和元年度には「文明と国際経済の地平~G20大阪サミットを受けて~」、「根拠に基づく政策のつくりかた」、令和2年度には「持続可能な社会のための政策デザイン~気候変動とエネルギー転換~」を開催し広くかつわかりやすく社会に発信することに努めております。同時に、先端経済政策分析センターを通じて、中央官庁のスタッフと協力し、経済理論と経済政策にかかわる現代的問題に焦点を当てた共同研究を続けています。こうした活動を通じ、経済政策実務家や一般社会との意識共有を形成することにより、より良い経済社会の形成に貢献しています。

学問の国際的連携の推進に向けた公共的プラットフォームの提供

本研究所では、経済学者や政策実務家が研究や政策立案を推進していくために必要な公共的サービスを世界に向けて提供しています。中でも、すべての研究者に開放された国際的な学術誌の出版・編集は学問にとって最も重要な公共サービスの一つです。本研究所では、日本の研究者が中心となって編集するものとしては初めての経済理論の国際専門誌International Journal of Economic Theoryを発刊し、世界的な専門誌として高い評価を受けています。また、Journal of Mathematical Economicsや、香港経済学会や国立台湾大学との協力によるPacific Economic Reviewの編集など、経済学の研究成果発信の場を提供しています。

シンポジウムの様子

シンポジウムの様子

International Journal of Economic Theory

International Journal of Economic Theory

Pacific Economic Review

Pacific Economic Review

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